将棋の藤井聡太王位（２１＝名人、竜王、叡王、棋王、王将、棋聖との七冠）が佐々木大地七段（２８）の挑戦を受ける第６４期王位戦七番勝負第４局が１５、１６日、佐賀県嬉野市の「和多屋別荘」で行われる。前日の１４日、同地で前日検分と前夜祭が行われた。無敗の３連勝で迎える藤井王位は勝てば王位４連覇を達成。八冠制覇に向けて、最後の一冠である王座を、今月３１日に開幕する五番勝負で奪取するのみとなる。

　嬉野対局は三度目の正直で実現する。２０２１年には記録的豪雨で館内が浸水し、対局地が関西将棋会館へ変更。２２年には対戦相手の豊島将之九段（３３）が新型コロナに感染して延期となった。今年も台風の影響で開催が危ぶまれたが、２人とも１３日に会場入りし、盤石体制だ。

　前夜祭で藤井王位は「３年越しの対局で、うれしく思います」と喜びを語った。「先ほど、対局のおやつと食事のメニューを見ていたんですが、お茶だけで６、７種類もあり長考しました。あすからの対局の方もしっかり考えて、内容の濃い将棋を指したい」とユーモアを交えて笑わせた。

　囲み取材では子供記者からの直撃も。人見知りに悩む小学生から仲良くなるコツを問われ、「私自身、今も子供の時も人見知りな性格でした。将棋を通して友達も増えたので、共通の好きなことを見つけられると楽しく過ごせるのではないかと思います」と優しく回答。最後に「全く予想できない質問で…」とタジタジだった。