大月みやこ 77歳 利己から利他で60周年 歌手人生支えた意識改革「いいね」が目標

 歌手の大月みやこ(77)が今夏、デビュー60周年の記念イヤーに突入し、記念曲第1弾「今も…セレナーデ」をリリースした。国内なら水前寺清子や故西郷輝彦さん、海外ならサイモン&ガーファンクルやキンクスらレジェンドが同期。自身も日本レコード大賞、NHK紅白歌合戦10回出場など輝かしいキャリアを築いてきた大月が、60年の歌手人生を語った。

 大月がデビューしたのは18歳だった1964年6月20日。同年10月の東海道新幹線開通、東京五輪開会式より前のことだ。

 きっかけは、歌を習っていた音楽学校にレコード会社からオーディションの話が舞いこんだこと。歌手志望ではなかったが、学校が送った生徒たちのテープから選ばれたのは大月の歌だった。

 いざ歌手活動を始めてみると「お客さんが入って歌ってがすごい楽しい」。当初は先輩歌手のショーの前歌が多く、「毎日聴いてもらえるチャンスと場所があって、いい気持ちになれることがあったから楽しくてしょうがない」。ヒットには恵まれなかったが「積極的に歌手になろうと思っていませんでしたので、目標が全然ない。自分が一番いい気持ちになっていればいい」と歌い続けていた。

 転機はレコード会社のスタッフから「いい歌を1人でも多くの人の心に届くように、感じてもらえるように歌っていこうよ」と説かれたこと。利己から利他へ-その言葉は「意識改革をさせられたのかも」と心に染みた。「お客さまが感動してくれる歌を絶対に歌えるから。聴いた人が感激してくれないと、作った僕たちも悲しいから。あなたの歌はそうできる」と背中を押されたのが「第二のスタートだったのかもしれません」と振り返る。

 デビューから22年後の86年、NHK紅白歌合戦に初出場。92年に「白い海峡」で日本レコード大賞。遅咲きの大ブレークだった。

 記念曲「今も…セレナーデ」は意外にもアッパーなラテンチューンで「今日、今歌ってる大月みやこでいたい。大月みやこの歌の攻めて行き方だと思っています」と現役の気概をのぞかせる。歌詞は大人の女の建前と本音が歌われる失恋ソングで「カッコよく別れてあげるわという感じのしゃれた女性の心、本当の内はメソメソしているのかもしれませんが」と解説した。

 4月に喜寿を迎えた大月は「昨日より今日が幸せで、気がついたら50年になり、60年になり、今日になった。ですから今が一番幸せです」ときっぱり。「欲張って来年再来年と言うんじゃなくて、まずは明日明後日、みんな聴いてくれて、いいねって言ってくれたら」と、77歳の目標を掲げていた。

 ◆大月みやこ(おおつき・みやこ)本名脇田節子。1946年4月23日生まれ、大阪府八尾市出身。大阪府立八尾高校卒。64年6月20日、「母恋三味線」でデビュー。86年、NHK紅白歌合戦初出場。以後10回出場。87年、「女の駅」で日本レコード大賞最優秀歌唱賞。92年、「白い海峡」で日本レコード大賞。2016年、文化庁長官表彰。17年、旭日小綬章。趣味はDIY、ゴルフ。好きな食べ物は魚、果物。好きな花はストック。

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