「サンモニ」識者、処理水放出「中国の反応も外交力の欠如」「不信の中でのスタート」
毎日新聞の元村有希子論説委員が27日、TBS系「サンデーモーニング」に出演し、東京電力福島第1原発処理水の海洋放出が始まったことについてコメントした。
元村氏は「リスクはゼロにはできない。トリチウムという放射性物質が少しでも含まれている水を海に流すわけですから」と発言。「どこまでのリスクが許容できるかをみんなで模索するっていう作業になるはずなんですけれども、結果として政府の説明や東電の説明が足りずに、不信の中でのスタートになってしまっているのはとても残念」と苦言を呈した。
さらに「国内外への誠実な対応」も求めた。「中国の反応も外交力の欠如の結果だと、わたしは思っています」と断言した。中国税関総署は24日、処理水の海洋放出が始まったことを受け、日本の水産物輸入を同日から全面的に停止したと発表した。日本の食品や農産品の放射性物質汚染のリスクを注視しているとし、日本から輸入する食品への監視を強化する措置も取った。中国外務省は「断固とした反対と強烈な非難」を表明する談話を発表し、海洋放出の中止を求めるなどした。
なお、中国が国内で運用する複数の原子力発電所が、福島第一原発の「処理水」の海洋放出の年間予定量と比較して、最大で約6・5倍のトリチウムを放出しているとされている。元村氏は中国の原発については一切触れなかった。
元村氏はさらに「データをきちんと透明性高く公表し続けるっていうことは最低限の責任だと思います」とコメントした。東電は公式ページでデータは公表している。