ジャニーズ再発防止チーム会見「根本原因はジャニー氏の性嗜好異常」「拡大招いたのはメリー氏の放置と隠蔽」【一問一答】
ジャニーズ事務所の創業者、故ジャニー喜多川前社長(2019年死去)による性加害問題に関し、外部専門家による再発防止特別チームが29日、都内で記者会見を行った。ジャニー氏が同事務所において1970年代から2010年代半ばまでの間、多数のジャニーズJr.に対し、長期間にわたり性加害を繰り返していたとの事実を認定。被害者救済措置としての適正な補償や、ガバナンス強化の一環としての藤島ジュリー景子社長(57)の辞任などを提言した。
◇ ◇
-どのようなプロセスで性加害を事実と認定したのか。ヒアリングには現役所属タレントもいるのか。
飛鳥井望氏(精神科医)「現役の方(2人)もヒアリングを行いましたけど、それは被害者ではありません。被害者にその時の状況等をある程度詳しくお聞きしまして、それが虚偽ではない真実性があると判断した。物証がない事案ですので、多くの方々の証言をお聞きしながら、真実だと思われると判断いたしました」
林真琴氏(前検事総長)「私たちは、こういうタイプの性加害がどのくらいの期間、どういう対応で続いていたのかと概括的に認定した。概括的な認定に関しては、被害者の方のヒアリングを通じて十分に認定ができたということ」
-ジャニーズ事務所の名称の是非は。
林氏「性加害が長期間にわたって継続してきたのは、同族経営の弊害も原因だと掲げているが、名称を変更するかどうかは、提言を受けたジャニーズ事務所が考えるべきこと」
-被害者から「数百人の被害者がいる」との声も。網羅的調査をしない理由は。
林氏「全ての性加害の総数、全体像を明らかにすることを目的に調査しておりませんが、なかなか困難なことであります。今被害を名乗り出ている方は、全体像からすれば非常に少ない。提言した被害者救済措置での救済による対話の中で、ジャニー氏の性加害の全体像が今後明らかになっていくのではないかと期待している」
-ジュリー氏は謝罪動画で「知りませんでした」と話したが、虚偽説明なのか。
林氏「私たちも関心を持って調査はした。しかしジャニー氏存命の時に、ジュリー氏が性加害を認識していたはずであると認定できるような資料、あるいは供述は得られませんでした。これはジュリー氏以外からも。被害者からは『知らなかった可能性が高い』という方も多い」
-本件で一番大きな問題は何か。
飛鳥井氏「根本原因はジャニー氏の性嗜好(しこう)異常。しかし拡大を招いたのは、メリー氏の放置と隠蔽(いんぺい)。これが非常に大きかったと思っています。二大権力者のもとで、ジャニーズ事務所の不作為が行われた。それぞれ次元の違う話なんですけど、重層的に作用し合って、長期の被害が広範に続いたと考えている」