ネットで7億円売上「小悪魔教師♡サイコ」作画担当がぶんか社提訴 別人作画の同作品発売止めず

 漫画「小悪魔教師♡サイコ」の作画を担当する漫画家・合田蛍冬氏が29日、自身のブログを更新し「ぶんか社を提訴いたしました」と報告した。

 合田氏は今年2月17日にブログに「『小悪魔教師サイコ』21話は掲載されていません。先行配信のピッコマも同様です。」と掲載。3月16日には「トラブルが続いておりご心配をおかけして申し訳ありません。落ち着いて伝えることが出来るようになりましたら改めてご説明はしたいと思っています。」と「-サイコ」についてトラブルになっていることを伝えていた。

 6月11日には1月17日のブログの再掲載として「2023年1月18日発売予定でした紙コミックス『小悪魔教師♡サイコ』1、2巻ですが、発売延期のお知らせです。」と単行本が発売延期になっていたことをあらためて報告。さらに2022年12月30日のブログの再掲載として「今回の件で、ぶんか社と(株)taskeyが1月に協議することになり、関係者からのご要望でwebtoon版に関する記事を一旦非表示に致します。」と説明。ぶんか社と三石メガネ氏による原作小説の管理会社「taskey」が話し合っていたことも伝えた。

 合田氏は、依頼を受けて小説を電子漫画化したのに、原作の管理会社による別の類似漫画の制作を止めなかったなどとして、「-サイコ」を出版するぶんか社に対して3円の賠償を求める訴訟を起こした。「努力してヒットした作品を参考にされれば苦労なく別の同名漫画を制作でき、漫画家は使い捨てになる」と主張。同様の行為を違法と確認するのが主眼だとして請求額は3円とした。

 「-サイコ」は2021年4月からぶんか社の電子月刊誌で連載された。訴状によると、ぶんか社が合田さんに漫画化を依頼し、23年6月まで少なくとも7億円を売り上げていた。ネット広告にも頻繁に登場するため、作品そのものの知名度は高い。

 しかし、原作小説の管理会社「taskey」が22年9月、スマホ向けの縦スクロール型漫画として、同一タイトルの自社制作版を公開。作画は高野ヒノ氏が担当している。合田さん側が事前に管理会社側へ制作中止を働きかけるようぶんか社に求めても「止める権利がない」などとして必要な措置が取られなかったという。

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