【気象予報士・天達武史コラム】異常な猛暑は9月も続く? 台風+秋雨前線の最悪コンビにも要注意

 猛烈な暑さが収まりません。東京都心は史上初めて8月すべての日が真夏日(最高気温30度以上)になるという異例の暑さ。気象庁からも今年の暑さは歴代と比べても異常で圧倒的、7月も空梅雨気味で125年間で最も暑くなったと発表がありました。

 心配なのは米どころの猛暑。今年は北国でも40度近い猛暑が続く時期がありました。新潟や山形など日本海側ではフェーン現象が加わり、夜の気温までもが30度を下回らない時期があり、高い最低気温の日本記録を塗り替えてしまいました。雨もほとんど降っていませんから農作物にも影響が出始めており、秋の食卓に大きな影響が出てしまうかもしれません。

 この暑さの原因は太平洋高気圧が早くから強まったこと。弱まるタイミングもあり気温が下がると思いきや、台風がノロノロ北上してきたことで大量の熱帯の空気が日本に持ち込まれたことで猛暑にさらに拍車がかかりました。この猛暑は少なくとも台風が日本の近くでウロウロしている来週までは35度を軽く超える所がありそうです。

 ただ、来週末以降はようやく北から秋雨前線が南下し、猛烈な暑さが収まってきそうです。どのくらい下がるかというと35度が30度くらいに。これでも十分暑いですが、異例の暑さのせいか30度でもホッとしてしまいます。本格的に秋モードになるのは9月中旬以降になりそうですね。

 猛暑のあと心配なのが台風です。日本の南はすでに、台風が発生しやすい状況にありますが、来週末以降、秋雨前線が南下してくるとこれまでの「夏台風」から「秋台風」に変化してきそうです。

 何が違うのかというと、夏台風はノロノロ北上するので影響が長引くタイプでしたが、秋台風は日本付近まで北上すると偏西風に乗って急にスピードアップすることが特徴です。その分早く通り過ぎますが、台風が近づくと急に雨風が強まります。さらに台風の北側には秋雨前線が停滞しているため、台風接近前から大雨になる可能性があります。

 とくに東・北日本の海面水温が異常に高いため、水蒸気を大量に補給し大雨を降らせる可能性があります。9月は台風+秋雨前線の最悪コンビによる川の氾濫、土砂災害、大規模な道路の冠水に十分ご注意ください。

 ◆天達武史(あまたつ・たけし)1975年生まれ。神奈川県横須賀市出身。高校時代は野球部に所属。2002年に気象予報士試験に合格。05年10月からフジテレビ系「情報プレゼンターとくダネ!」、21年3月から「めざまし8」のお天気を担当。

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