男声コーラスグループの草分け「ダークダックス」の最後のメンバーで、「ゾウさん」の愛称で親しまれた遠山一（とおやま・はじめ、本名・金井政幸＝かない・まさゆき）さんが２２日午後１０時４分、慢性心不全及び老衰のため都内の病院で亡くなった。９３歳。

　２０１１年に「パクさん」こと高見澤宏さん、１６年に「ゲタさん」こと喜早哲さん、「マンガさん」こと佐々木行さんを相次いで失ったが、メンバー最高齢だった遠山さんは、一人で活動していた。

　ダークダックスは１９５１年、慶応大在学中に遠山さんらが活動を始め、翌年４人組に。ジャズや童謡など幅広いジャンルを歌いこなし、抜群のハーモニーと品の良さで愛された。「ともしび」「銀色の道」「山男の唄」などヒット曲多数。

　１９８７年には、メンバーを変えずに日本で最も長期にわたって活動するコーラスグループとして、１９８７年、ギネスブックに認定され、９３年には紫綬褒章を４人同時に受賞した。

　遠山さんの通夜は１０月１日午後６時、葬儀は２日午前１１時、東京都杉並区上荻２の１の３の光明院で。喪主は妻金井恵美子（かない・えみこ）さん。