日テレ ジャニーズ性加害問題 社内ヒアリング検証結果公表へ 事務所の対応策「不十分」社名など変更申し入れ
日本テレビの社長定例会見が25日、都内の同局で行われ、石澤顕社長はジャニーズ事務所の創業者である故ジャニー喜多川氏による性加害問題を巡り、過去の状況を知る関係者へのヒアリングを始めたことを明らかにした。検証結果は今後、番組での放送も含めて何らかの形で公表する方針。また、同事務所に対して20日に申し入れ書を手渡したといい、その際に社名変更や所属タレントのマネジメントと被害者の補償を行う組織の分離を検討することも要請したことを明かした。
石澤社長によると、ヒアリングの指示を出したのは8月29日。再発防止特別チームが会見で調査結果を報告したことを受け、即座に判断したという。
性加害問題が世に出た発端として、まず1999年に週刊誌「週刊文春」が報じ、その記事を巡って裁判に。2003年に東京高裁が記事に記載された喜多川氏のセクハラ行為の真実性を認め、翌04年に最高裁で確定している。
石澤社長は「当時、我々がメディアとしてどのような空気の中でこの事案を受け止めたのか、あるいはパスしたのか、それも含めて可能な限りヒアリングをして、今後の報道活動、番組制作活動に生かせるよう調査をしている」と説明した。
ヒアリングの対象は報道部門から番組制作に関わる社員に及んでいるという。「当時どのような空気の中で、どのような形で報道をしたのか、していなかったのか、情報番組が取り扱いをしたのか、しなかったのか、ジャニーズさんのキャスティングに影響があったのか、なかったのか」についてなどを聞き取っているという。
進捗(しんちょく)については「多岐にわたるのも事実だし、知っている人に行き当たるということも含めて時間がかかっているのは事実」としつつ「我々がまず反省とすべき糧があるだろうと。真実に迫る努力をしていることは事実」と意義を口に。検証結果は「番組を含めて何らかの形で公表しなければいけないと思っている」とした。
ジャニーズ事務所が発表している対応策については「まだ十分とは受け止めていない」と評価。所属タレントの番組出演については「現時点でキャスティングを変更する考えはない」としたが、同事務所が予定している10月2日の具体策公表について「信頼を得られるような今後の方針をしっかりと打ち出せるかどうかがポイント。タレント起用はスポンサーの考えも参考に、総合的に適切に判断を進めていきたい」とした。