性加害問題に揺れるジャニーズ事務所 10・2会見決定 どうなる新名称…4つの注目点
創業者である故ジャニー喜多川元社長による性加害問題に揺れるジャニーズ事務所は28日、10月2日に都内で今後の事務所運営に関する記者会見を開くことを発表した。今月7日の会見では、社名の存続を公表して世論の大反発を招き、19日には、社名の変更や藤島ジュリー景子前社長(57)の保有株式の取り扱いなどを10月2日に報告するとしていた。東山紀之新社長(56)らが、新たな社名発表や新会社の設立、再発防止策など、どこまで踏み込んだ方針を示せるか注目が集まる。
7日の会見では東山新社長がジャニー氏の性加害を認めて「鬼畜の所業」と厳しく断罪したものの、立て直し策についての言及は乏しかった。会見直後から、多くの企業が所属タレントとの広告契約の見直しを表明するなど逆風は強まっていった。
外部専門家による再発防止特別チームが性加害についての調査報告会見を行い、事務所に対して「解体的出直し」を求めたのは8月29日。そこから日が浅かったこともあり、「ジャニーズ」の社名の継続や、ジュリー氏が100%を保有する事務所の株式の問題は据え置きになっていた。
世論の反発を受けて、テレビ各局も厳しい姿勢を取り、所属タレントの新規起用を見送る方針を打ち出し、書面や口頭でジャニーズ事務所への要望を伝えている。
事務所は今月19日、取締役会を開いてジュリー氏が保有する株式の取り扱い、被害補償の具体的方策、社名変更、所属タレントと社員の将来などについて今後の方針を協議したと発表。この日も、会見で今後の運営方針に加えて人権に関するポリシーの制定など、再発防止特別チームが提言した内容に基づいた具体的な再発防止策を公表するとした。
10月2日の会見で求められるのは確たる“回答”だ。「ジャニーズ」に変わる新たな社名、ジュリー氏が保有する株式、被害補償、新会社を設立して所属タレントを移籍させるプランの発表だけではなく、その決断に至る経緯にも注目が集まる。
7日と同じく東山新社長の他にジュリー氏、ジャニーズアイランドの井ノ原快彦社長(47)が、弁護士と登壇する見通し。前回は終了時間を設けず質疑応答を続けて4時間を超える会見となったが、今回は2時間での終了予定をマスコミに通知している。
ジャニー氏が率いた過去と決別して本当の意味での「解体的出直し」となる“満額回答”を出せるのか。
◇性加害問題の今年の動き
▽3月 英BBCが喜多川氏の性加害を報道
▽4月 元ジャニーズJr.のカウアン・オカモトさんが記者会見で性加害証言
▽5月14日 藤島ジュリー景子社長が動画と文書で謝罪
▽同26日 同事務所が社外取締役3人の就任や心のケア相談窓口、再発防止特別チーム設置を発表
▽6月26日 「ジャニーズ性加害問題当事者の会」が発足
▽同8月4日 国連人権理事会作業部会が性加害問題を調査し、会見
▽同29日 外部専門家による再発防止特別チームが会見
▽9月7日 ジャニーズ事務所が会見。性加害を認めて謝罪。ジュリー社長の辞任と東山紀之新社長を発表
▽同13日 今後1年間、所属タレントの出演料などをすべてタレントに支払うと表明
▽同15日 被害者補償のための受付窓口をネット上に開設
▽同19日 取締役会を開催。ジュリー氏の保有する株式や社名変更、被害補償の具体的方策などについて議論を行い10月2日に内容を報告すると発表
▽同28日 今後の会社運営や具体的再発防止策などを公表する記者会見を10月2日に行うと発表