【気象予報士・天達武史氏コラム】過去に大災害も 10月台風に注意

 ようやく長い長い夏が終わりました。日本列島は8月に続き9月も平均気温を大幅に上回り126年の観測史上最も暑くなりました。今年は歴史的な暑さだったわけですが、もう一つの異変が台風の数です。トップシーズンの9月に2個しか発生せず、こちらは観測史上最も少なかったです。台風発生のカギを握る海面水温は猛暑の影響で例年以上に高かかったにもかかわらず、優勢な夏の高気圧がドーンと台風エリアまで覆ってしまったため、台風が発生しにくくなりました。

 ただ10月に入り、さすがに夏の高気圧も弱まってきているので、立て続けに台風が発生してもおかしくありません。今年は海面水温が平年より高いだけでなく、水深50メートル付近でも場所によっては30度前後あります。このため、台風が発生して海がかき混ぜられても湧き上がってくる海水は温かく、海面水温が下がりにくい状況です。

 条件が整えば次々に台風が発生し、気圧配置次第では日本列島に接近する可能性があるので今年の10月は油断できません。過去にも“10月台風”は甚大な被害をもたらしています。2019年10月には台風19号が温かい海を北上し、伊豆半島に上陸する直前まで非常に強い勢力を維持し、静岡や関東甲信、東北を中心に記録的な大雨になりました。「令和元年東日本台風」と名前がつけられ、昭和54年以来40年ぶりに死者100人を超える台風になってしまいました。ちなみに最も遅い上陸台風は1990年11月30日という記録が残っています。

 さて、今週から急に涼しくなってきて、初冠雪の便りも届き始めています。朝晩は西・東日本でも15度前後まで下がりようやく秋物が活躍。この先、日中も25度を下回るところが多くなりそうです。朝晩と昼間の体感温度の差が非常に大きい時期です。

 服装に困る人も多いと思いますが、目安としては25度が半袖と長袖の境界線と言われています。20度を下回ると上着が必要になり、15度以下は厚手の上着、10度未満は冬服や暖房の出番になります。最低気温やお出かけ時間帯の気温をチェックして、そろそろ衣替えも進めてよさそうです。

 ◆天達武史(あまたつ・たけし)1975年生まれ。神奈川県横須賀市出身。高校時代は野球部に所属。2002年に気象予報士試験に合格。05年10月からフジテレビ系「情報プレゼンターとくダネ!」、21年3月から「めざまし8」のお天気を担当。

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