全冠制覇 藤井聡太八冠【一問一答】今後目標とゴール「実力をつけ、面白い将棋を指したい」 将棋の面白さとは
将棋の藤井聡太七冠(21=竜王、名人、王位、叡王、棋王、王将、棋聖)が永瀬拓矢王座(31)に挑戦した第71期王座戦五番勝負第4局が11日、京都市のウェスティン都ホテル京都で指され、藤井七冠が138手で勝利。、通算成績を3勝1敗として初めて王座を獲得し、前人未到の八冠独占を成し遂げた。以下は藤井新八冠の対局ご会見の主な一問一答。
-対局を終え、今の率直な感想を。
「まず、このような結果を出せるとは自分自身でも思っていませんでしたので、そのことはすごくうれしく思っています、一方で、今回のシリーズ苦しい将棋が多かったですし、実力としてはまだまだ足りないという所は変わらず感じていますので、その地位に見合った実力を付けられるように一層努力していかなければならないと思います」
-八冠制覇を成し遂げた達成感、充実感は。
「もちろん、すごくうれしいことではあるんですが、ずっとそれを目標にしていたというわけではないので、今後も変わらず取り組んでいきたいと思いますし、今回の王座戦の経験を今後の糧にしていきたいと思います」
-全冠制覇で、羽生九段に並んだ。
「全冠制覇というのは、チャレンジできる機会はなかなか来ないかなと思っていたので、今回達成できたことはすごくうれしいですし、もちろん全冠制覇という点では羽生先生の記録と並ぶことはできたと言えるかなと思うんですけど、羽生先生の場合は、その後もトップのプレイヤーとして活躍しておられるので、この後も息長く活躍できるようにと目指していきたいと思います」
-今シリーズの内容については。
「どれも難しい将棋だったかなと思うんですが、第3局と今局は、終盤ではっきり負けいう局面がありましたので、逆のスコアでもおかしくないと思いますし、そういう意味でも好運な結果だなと思います」
-永瀬王座の強さについて。
「やはりどの局も十分に準備されて臨まれていると感じた。中盤以降でも的確に指されることがすごく多かったので、永瀬王座の強さを感じたところはすごく多かったですし、とても勉強になったシリーズだったかなと思います」
-タイトル戦は予選やリーグ戦を戦うことがなくなるが、具体的にどんな勉強方法でモチベーションをたもっていくのか。
「今回のシリーズではいろいろ足りないところがあるなと感じたので、まずは実力を高めることを目指していきたい。予選の対局がなく、時期によって対局数に偏りができてしまったりというところがある思うので、そのあたりをどう補っていくかは、今後取り組んでいく上で考えたいと思います」
-「歴代最強」との声について。
「特に時代の違う方との比較は一概にはできないので、そう言っていただけるというのはうれしいことなんですが、自分自身もそうではないとは思っていますし、他の方の将棋を見ても勉強になることとはすごく多いと思うので」
-棋士としての今後の目標、ゴールは。
「まずは実力をつけること、その上で面白い将棋を指したいという気持ちがあるので、そういったところを目指していきたいなと思っています。今シリーズも、中盤の難しいところでバランスがうまく取れなかったかったというところもあったので、そういうところでバランスを保てるようになればまた違った将棋が指せるようになるのかなと考えています」
-地元・瀬戸市に向けてのメッセージを。
「地元の方には、棋士になる前から支えていただいたり応援していただいて、それがずっと励みになってきたので、すごく感謝しています。今後も地元の方を元気づけられるような活躍であったり、将棋が指せればと思っています」
-将棋の面白さとは。
「一言では言えないかなと思うんですが、将棋は取った駒を持ち駒として使えるというのが一つの大きな特徴、それによって中盤終盤と局面が進んでいくことで局面が複雑になるのが面白いところ」
-四段から7年で八冠制覇。誰に伝えたいか。
「本当に、四段になったときから振り返ってみても、あっという間だったかなと感じています。特にタイトル戦に出られるようになってからは、自分が思っている以上にいい結果を残すことができたのかと感じています。特にまだ、どなたかに報告はしていないんですけど、家族や師匠にはまた後で伝えられたらなと思っています」
-五冠達成時は富士山になぞらえて「森林限界の手前」と話していた。八冠の今は。
「結果という点では、その時よりも残せているところはあるんですけど、実力という点で言うと、当時と変わらず課題が多いなと思っていますので、まだまだ頂上が見えるということは全くないのかなと思っています。どうしたら強くなれるかというのは手探りではあるので、試行錯誤しながら進んでいけたらと思っています」
-今後の具体的な目標は。
「タイトル戦が始まれば、そこで結果を残したいということはいつも思っているんですけど、長期的に先のタイトル戦で勝ちたいとかは意識していないので、長い目で見るとやはり面白い将棋を指すと言うことが一番かなと思っています」