藤井聡太八冠誕生に地元・瀬戸市も歓喜「聡太くんらしい勝ち方」川本雅之市長がファンらとくす玉割って祝福
将棋の第71期王座戦五番勝負第4局は11日、京都市・ウェスティン都ホテル京都で行われ、藤井聡太七冠(21=竜王・名人・王位・叡王・棋王・王将・棋聖)が永瀬拓矢王座(31)に勝利し、史上初のタイトル全八冠独占を成し遂げた。将棋と出会い16年、史上最年少でのプロ入りから7年、藤井八冠の強さの源泉、これからに迫る。また1977年度に史上3人目の全冠制覇(当時は六冠)に王手をかけた中原誠十六世名人(76)が本紙の取材に応じ、将棋界に誕生した新たな伝説への思いを語った。
藤井聡太八冠誕生の瞬間、パブリックビューイング(PV)会場となった愛知県の瀬戸市文化センターでは地元ファンら約100人の拍手と「おめでとう」の歓声が響いた。
歴史的瞬間を見届けた川本雅之市長(58)はファンらとくす玉を割って祝福。「(AIによる形成判断のパーセンテージが)1%から大逆転。何事もあきらめないことが大事と学ばせていただいた」と感激し「瀬戸市民をあげてお祝いしたい」と話した。
瀬戸市在住の60代女性は「超特急で八冠になられてすごいの一言です」と感無量。66歳の女性は「夢のような感じ」と話し、21歳の偉人へ「素直な今のままでいてほしい」と今後の活躍を期待した。
名古屋市から来た女性(56)と神戸市から来た女性(67)は藤井八冠の“推し活”を通じて知り合ったといいゆかりの地を巡る“聖地巡礼”を兼ねて瀬戸市を訪れた。「聡太くんらしい勝ち方で、ジェットコースターのようにヒヤヒヤした」と興奮していた。
この日は、市が運営するPVでは過去最多の動員を記録。席を増設しても立ち見が出るほどにぎわった。
地元の飲食店や商店街も活気づいた。「喫茶スマイル」では、八冠誕生の翌日に提供する特別メニュー「8バースデー」を企画。地元名物を使った焼きそばめしを8の字に盛り付け、将棋駒を模したカツ8枚と8本のろうそくで飾ったものだ。店長の鈴木松子さんは「自分のことのようにドキドキです」と見守った。せと銀座通り商店街では、店舗のシャッターを使って対局を再現する「シャッター大盤」やPVに人々が集まった。