藤井聡太八冠 偉業一夜明け「いろいろ考えてしまった」今後は八冠独占維持へ「盤を挟んでしまえば立場の違いはない」
11日に史上初の将棋界八大タイトル独占を達成した、藤井聡太八冠(21=竜王・名人・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖)が12日、京都市「ウェスティン都ホテル京都」で会見を行った。
同所で行われた前日の王座戦第4局で永瀬拓矢王座(31)に138手で勝利し、シリーズ成績3勝1敗で王座を初奪取。96年2月に羽生善治九段(53)が七冠独占を達成して以来27年ぶりとなる全冠独占を達成した。
一夜明け穏やかな表情で登壇。「軽くいろいろ考えてしまったところがあったけど、それなりに普段通り眠れたと思います。家族からはお祝いのコメントをもらいました」と明かした。改めて八冠の重みを問われ、「実現できた実感がわかないのが正直なところ」とこぼしつつ、「うれしい気持ちとともに、これまで以上に将棋の内容も高いレベルが要求されると思っています」と気を引き締めた。
大逆転勝利が続いた本シリーズを、「全体を通して苦しい将棋で、逆のスコアでもおかしくなかった。幸運だったと思っています」と振り返った。今後は全冠維持へ多数の挑戦者を迎え撃つことになるが、「将棋は盤を挟んでしまえば立場の違いは全くないので、これまでと変わらない気持ちでいいと思っています」と語った。
今後のピークを問われ、「まだまだ伸びしろや改善の余地は多いと思っているんですけど、10代の頃と違って意識的に取り組んでいかないと棋力を伸ばすのが難しいと思っているので、しっかり考えていきたい」と明かした。