【山田美保子のミホコは見ていた!】音楽だけでなく、テレビもラジオも愛し、愛された谷村新司さん

 谷村新司さん急逝の訃報に言葉を失った。

 今年3月、急性腸炎のために手術を受け、入院しながらの治療を報告し、「アリス」の全国ツアーを延期。6月には年末恒例のクリスマスディナーショーの休止も発表し、年内いっぱいの休業を決断していた。8月27日、「24時間テレビ46 愛は地球を救う」(日本テレビ系)のフィナーレで谷村さんが「サライ」を歌う姿が見られなかったことから視聴者から心配の声があがっていた矢先の訃報だった。

 「アリス」としても、ソロ歌手としても多くの人が口ずさめる大ヒット曲がいっぱい。特に「サライ」については、「24時間テレビ46」の直前、日本テレビOGの永井美奈子、松本志のぶ、馬場典子による「週刊ポスト」の鼎談で、同局のアナウンサーがカラオケに行くと必ずラストに歌うというエピソードを耳にし、改めて聴き直す機会があったばかりだ。

 フォークソングやニューミュージックの歌手の中に、フルサイズではなかなか歌うことができない各テレビの歌番組には「出ない」とする者も少なくなかった70年代や80年代。だが「アリス」は快諾し、毎回出演していたし、谷村さんはソロとしても、他の歌手とのデュエットなども披露していらした。

 ラジオではなんといっても「セイ!ヤング」(文化放送)だろう。1972年10月~1978年3月まで放送されていた深夜ラジオで、途中から盟友、ばんばひろふみと共にパーソナリティを務めた谷村さんは、DJとしても一世を風靡した。

 名物の「天才・秀才・バカ」シリーズは、映画「燃えよドラゴン」のテーマ曲をバックにリスナーから投稿されたネタに、谷村さんやばんばが3段階に分けて採点。いわゆる“ハガキ職人”が大勢誕生したコーナーでもあり、初期は「オールナイトニッポン」(ニッポン放送)や「パックインミュージック」(TBS系)に集まりがちだった深夜ラジオのリスナーをいっきに文化放送へと引き寄せたものだ。

 放送終了後も書籍化されたり、復活放送されたりした同コーナー。実は私も同コーナーに何度か投稿したことが放送作家を生業するきっかけとなっている。

 音楽だけでなく、テレビもラジオも愛し、愛された谷村新司さん。どうかゆっくりお休みください。ありがとうございました。

 合掌

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