財津一郎さん死去 89歳 「ピアノ売ってチョ~ダ~イ」タケモトピアノCM、金八先生にも出演
「ヒッジョ~にキビシ~ッ!」「○○してチョ~ダ~イッ!」などの流行語でも知られたコメディアンで俳優の財津一郎=本名・財津永栄=さんが亡くなっていたことが19日、分かった。89歳。関係者への取材で分かった。
太い眉、よく通るバリトンの声、軽い身のこなし。「ピアノ売ってチョ~ダ~イッ!」のタケモトピアノのCMに出演したのは01年。コミカルに歌い踊るCMはお茶の間の支持を得て、20年にわたり放送されている。
早稲田大学の演劇科を受験するも失敗(53年)。クラシックでバリトンをやっていたことから、のどを買われ、帝国劇場ミュージカル研究生に。53年12月、森繁久彌さん主演の「赤い絨毯」で初舞台。ミュージカルで鍛えたのどと踊りが、のちの舞台、そしてタケモトピアノのCMへとつながった。
ABCテレビの伝説の名プロデューサー・澤田隆治氏の目にとまり、65年末から「てなもんや三度笠」に“怪人”蛇口一角役で出演。チャンバラで思わず出た言葉「キビシ~ッ!」「助けてチョ~ダ~イッ!」が大ウケ。瞬く間にお茶の間の人気者となり、数々の“財津語”も生まれた。
ドラマ「3年B組金八先生」には79年の第1シリーズから英語担当・左右田先生役で出演。大らかな心で金八の良き理解者となり、視聴者の心をつかんだ。映画「お葬式」(84年)では日本アカデミー賞助演男優賞を受賞。喜劇でのコミカルな役柄から人情味あふれる役などさまざまに演じ分け、「三文オペラ」などのミュージカルや、「リア王」などの舞台でも高い評価を得た。