竹中直人 財津一郎さんは「お芝居にかなり厳しかった」初共演で「ぼくの芝居にそんなんじゃダメだと」感謝と追悼

 俳優の竹中直人が19日、14日に慢性心不全で亡くなった財津一郎さんに対して追悼のコメントを残した。

 財津さんとの初共演は85年放送のTBS系ドラマ「サーティーン・ボーイ 僕は札束中学生」だったといい「その時の財津さんはお芝居にかなり厳しかった。テレビで見ていた印象とは違い、僕の芝居に対して『そんなんじゃダメだ』という感じでかなり」怖かったと説明。当時「僕をじっと見つめる財津さんのまなざしは、僕の本質を見透かしているようでおどおどしてしまった事を覚えています」と振り返った。

 96年には大河ドラマ「秀吉」で再共演。竹中が「お久しぶりです」とあいさつすると「以前共演した時とは全く違い、なんとも言えないくしゃくしゃな笑顔で大きくうなずきながら僕を見つめてくださった」という。撮影現場では財津さんが竹中の芝居を見守っていたといい「僕を受け入れてくださっている事、僕を信じてくださっている事が、とてもうれしかった事を深く覚えています」と初対面の時の印象とは全く違ったと述懐した。

 最後には「財津さん、財津さんのあの独特な顔、あの独特なたたずまい、そしてあの独特な声はいつまでも僕の中に生き続けています。財津さん、ありがとうございました」と感謝を言葉にした。

【以下、コメント全文】

 財津さんとはテレビドラマ【サーティーンボーイズ】(1985)で初めて共演させていただきました。その時の財津さんはお芝居にかなり厳しかった。テレビで見ていた印象とは違い、ぼくの芝居に対してそんなんじゃダメだという感じでかなり怖かったんです。ぼくをじっと見つめる財津さんの眼差しは、ぼくの本質を見透かしているようでおどおどしてしまった事を覚えています。

 そして数年が経ち大河ドラマ【秀吉】(1996)で久しぶりにご一緒させていただきました。

 ぼくが演じる秀吉の義理の父、竹阿弥を財津さんが演じました。

「財津さん、お久しぶりです。」とご挨拶に伺うと、以前共演した時とは全く違い、なんとも言えないくしゃくしゃな笑顔で大きく頷きながらぼくを見つめて下さった事を思い出します。秀吉の撮影現場では遠くから自分のお芝居を見守ってくださいました。初めてお会いした時の印象とは全く違い、ぼくを受け入れてくださっている事、ぼくを信じてくださっている事が、とても嬉しかった事を深く覚えています。

 財津さん、財津さんのあのどくとくな顔、あのどくとくな佇まい、そしてあのどくとくな声はいつまでもぼくの中に生き続けています。財津さん、ありがとうございました。

 竹中直人

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