フジテレビ幹部、旧ジャニーズへの「忖度」の現実指摘「便宜は通常の商取引」 事務所とは「一線を引く必要」

 フジテレビが21日、特別番組「週刊フジテレビ批評 特別版 旧ジャニーズ事務所の性加害問題と“メディアの沈黙”」を放送した。ジャニーズ事務所は今月17日に社名を「SMILE-UP.」に変更している。

 旧ジャニーズ事務所創業者の故ジャニー喜多川氏による性加害問題について、フジテレビの社員、元社員77人に社内調査を行ったと報告。調査の内容などについて検証した。

 週刊文春と旧ジャニーズ事務所の裁判、英BBCのドキュメンタリーなどで報道されたにもかかわらず、ニュースで扱わなかったことについては「単なる芸能事務所のスキャンダル」「男性への性加害への意識が低かった」などとした。旧ジャニーズ事務所のタレントが逮捕されたという情報をつかみながら、他社よりも報道が遅れたことがあったことも明かした。報道局長・渡邉奈都子氏は「あきらかに旧ジャニーズ事務所に対する気遣いですとか、配慮などが報道にもあった」と「忖度(そんたく)」という単語を使わずに認めた。

 一方で、元情報番組のプロデューサーの「刑事事件になっていない性犯罪を取材・報道することは、取材網を駆使してキャンペーン的にでも取り組まない限り、現実的ではないと思っていた。今でもそのハードルはかなり高いのではないかと感じているのも事実である。」というコメントも紹介。「うわさ」として知られていても「報道」する難しさがあることも指摘した。編成制作局長・立松嗣章氏は「ジャニー氏にまつわるうわさは多くの社員が耳にしていました。しかし、それが深刻な性加害に当たる行為ということは想像ができませんでした」と反省を口にした。

 忖度についての検証では、事務所からの細かい指定があったという証言も多かった。一方で編成幹部の「厳しい交渉に対応することになり、その点はむしろプロデューサーの腕の見せどころといった感じがあった」という現実的なコメントもあった。情報制作局幹部は「協力企業に配慮したり便宜を図ることは通常の商取引の範囲内で認められるという視点でいうと、事務所との関係を全て圧力や忖度と表現されることは違和感がある」とした上で「報道機関としての役割を担っている以上、どこかで必ず一線を引く必要があるのではないか」と襟を正していた。

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