もんたよしのりさん 急死 80年「ダンシング・オールナイト」大ヒット 72歳、大動脈解離

 神戸のライブハウス・チキンジョージでインタビューに応じるもんたよしのりさん=2012年4月
 肩を組み笑顔の(左から)BORO、もんたよしのりさん、西城秀樹さん=91年10月
 阪神淡路大震災から半年が過ぎ会見するもんたよしのりさん=95年8月
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 大ヒット曲「ダンシング・オールナイト」(1980年)で知られるロックバンド「もんた&ブラザーズ」のボーカルで、シンガー・ソングライターのもんたよしのり(本名門田頼命=かどたよしのり)さんが18日朝、大動脈解離のため死去していたことが22日、分かった。72歳。神戸市出身。葬儀は故人の希望で、親族のみで行った。後日、お別れの会を開催する予定。

 22日夜、もんたさんのブログに個人事務所名義で訃報がアップされた。「とても穏やかな顔で旅立ちました」といい、「あんなに元気でいつもパワフルだったもんたが、天国へ向かうなんて、今もまだ信じられない気持ちでいっぱいです。もんたと共に過ごした長い年月が、まるで走馬灯のように蘇ってきます」とつづられた。マネジャーは妻の恭子さんが務めている。

 もんたさんは今年8月、約4年ぶりのライブを神戸で開催。9月26日にはNHK総合「うたコン」に生出演し、10月2日のブログでは「沢山の人に俺の歌に反応してもらえたようで、めちゃめちゃ嬉しくて嬉しさが全身を駆け巡るようだった」と喜びをつづった。

 FM COCOLO「MARK’E MUSIC MODE」には月1回ゲスト出演しており、今月18日の出演を告知していたが、かなわなかった。

 寝具店の長男として生まれ、中1で出会ったビートルズで音楽に目覚めた。両親の反対を押し切り報徳学園高を中退して音楽の道へと進み、初ステージはザ・スパイダースの前座だった。上京して71年に「この足の鎖ひきちぎりたい」でソロデビューしたが売れず、極貧生活を過ごした。

 神戸に戻るも再上京し80年、「ダンシング・オールナイト」が大ヒット。一躍、時の人となり、日本レコード大賞金賞などを受賞した。紅白歌合戦にも出場し、個性的なハスキーボイスを列島にとどろかせた。

 83年には大橋純子(73)とのデュエット「夏女ソニア」がヒット。同年、友人の西城秀樹さんに提供した「ギャランドゥ」は、西城さんの代名詞的な大ヒット曲となった。

 多忙を極め疲弊したもんたさんは84年に活動を休止。関西に拠点を戻し、アフリカや東南アジアを放浪した。バングラデシュで難民の貧困を目の当たりして帰国した後はチャリティーコンサートを数多く手がけ、阪神・淡路大震災の被災者や発展途上国を支援した。

 2021年にデビュー50周年を迎えたが、「子どもの時に音楽が好きだった感情がよみがえっている」と情熱は衰えず。「人間いつまでも生きられることはない、自然なこと。先送りしないで、今を一生懸命どう生きるか、やね」と精力的に活動していたが、現在が「ミュージシャン人生の最終章」だと位置づけていたもんたさんのステージに突然、幕が下ろされた。

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