BUCK-TICK・櫻井敦司さん 急死 19日・コンサート中に救急搬送 そのまま帰らぬ人に
男性5人組ロックバンド「BUCK-TICK(バクチク)」のボーカル・櫻井敦司(さくらい・あつし)さんが19日午後11時9分に脳幹出血のため、急死したことが24日、分かった。57歳。群馬県出身。同バンドの公式サイトで発表された。19日に横浜市内で開催されたコンサート中に体調不良で救急搬送され、同日中に息を引き取ったという。葬儀は遺族の意向により、家族葬で執り行われた。後日、故人をしのぶ場を設ける。
多くのファンに愛されてきたビジュアル系バンドのカリスマが、突然、57歳の若さで生涯に幕を閉じた。
異変は19日に横浜市内で行われたファンクラブ限定ライブ中に起こっていた。3曲目を迎えた櫻井さんは、歌唱を続行できなくなり、スタッフに抱えられてステージから下がった。その後、コンサート中止のアナウンスが流れたという。
櫻井さんは、会場から病院へ救急搬送されたが、その日の夜に帰らぬ人に。公式サイトでは「令和5年10月19日午後11時9分 脳幹出血のため 息を引き取りました 57歳というあまりに早すぎる旅立ちでした」と訃報を伝えた。
1987年のメジャーデビュー以来、メンバーチェンジすることなく、走り続けてきたBUCK-TICK。端正なルックスと個性的な歌声の櫻井さんはボーカルと作詞を担当。耽美(たんび)な世界観の楽曲で異彩を放ち、90年代のビジュアル系バンドブームをけん引した。櫻井さんが作詞した「JUST ONE MORE KISS」「悪の華」などはバンドの代表曲としてファンに支持されてきた。
35年をともに歩んだ盟友を失ったメンバーらのショックは大きく「あまりにも突然の事にいまだ信じられない思いがいっぱいで気持ちが混乱しており、メンバースタッフ共に言葉に表すことができないほどの深い悲しみです」と衝撃を記した。
9月18日にデビュー35周年を締めくくるライブを地元・群馬音楽センターで開催し、36年目に歩み始めたばかり。同公演で12月29日に年末恒例の日本武道館ライブ開催が発表されるなど、ファンと“いつも通り”の年越しを過ごす予定だったが、全てのライブの中止が発表された。
最期までロック魂を貫いた櫻井さん。その歌声、姿は人々の心に生き続ける。
◆BUCK-TICK(バクチク) 群馬県出身の5人組ロックバンド。1984年結成の「非難GO-GO」を前身に、85年に結成。87年にメジャーデビューし、翌年の「JUST ONE MORE KISS」で、日本レコード大賞の新人賞受賞。89年のアルバム「TABOO」が大ヒット。「X JAPAN」「LUNA SEA」などとビジュアル系バンドとして一時代を築き、デビュー2年で日本武道館、東京ドーム公演を達成した。最新シングルは3月発売の「無限 LOOP」。群馬発のBOØWY、back numberと「群馬の3B」と呼ばれている。芥川賞作家の遠野遥氏は櫻井さんの長男。