鈴木亮平 感動届ける責任 名作生むTBS系日曜劇場「下剋上球児」で2年ぶり主演
俳優の鈴木亮平(40)が、主演するTBS系日曜劇場「下剋上球児」(日曜、後9・00)で、大作ドラマへの重圧と向き合っている。元球児の高校教師(鈴木)が廃部寸前の弱小野球部顧問に就任し、部員とともに甲子園出場を目指すストーリー。15日放送の初回は、10・8%の二桁好発進となった。「半沢直樹」「下町ロケット」「VIVANT」と数々の名作が誕生する日曜劇場で、2年ぶり2度目の主演。責任を感じながらも、若き才能との作品作りを楽しんでいる。
日曜劇場は「TOKYO MER~走る緊急救命室~」以来、2年ぶり2度目の主演。名作が生まれる同局の看板枠で座長を任された鈴木は「日曜劇場は僕にとっても特別な枠です。日本で最高のドラマを作るぞという誇りを持った人たちが集まっているので、俳優部の代表、主役としてできる限りの事をやらないといけないと思っている。日曜日夜に家族みんなで見て、感動してもらえる作品を届ける責任を感じます」と言葉に力を込めた。
同枠の前作「VIVANT」は、最終回視聴率19・6%の大ヒットを記録。これに次ぐ作品として、大きな期待を背負っている。「VIVANTはオールスターキャストで本当に豪華。そういう意味でわれわれの主役は(半年間のオーディションで選ばれた球児役の)生徒たちです。まだそんな有名ではない。彼らにとっての日曜劇場というのは、まさしく甲子園。そこにいきなり選ばれた彼らが俳優として下剋上を成し遂げてほしい」と願う。
球児役の役者から刺激を受ける日々で、「お芝居も真面目で、年上チームがやっている演技をじっと見て勉強している。頭が下がりますね」と感心が止まらない。自身は野球未経験だけに「生徒の手前負けてられない」と野球を猛特訓する。バッティング用のネットを自前購入し、行く先でネットを立ててノック練習。隙間時間は、バッティングセンターに足を運んでいる。
鈴木と言えばストイックな役作りが話題になるが、「あまり自分ではストイックだと思っていないんですけどね」と世間のイメージとはギャップを感じている。役作りという「新しい物を自分に入れる作業が好きで、空いた時間にやっているだけ」と説明し、自身について「演技の才能はあまりないと思っている。けど、自分に何か才能があるとしたら、楽しんでやり続けられる事なんですよ」と冷静に分析している。
甲子園球場で知られる兵庫県西宮市出身で、学生時代は同球場でビールの売り子を経験した。「地元の甲子園に自分が“監督”として帰って来られたら、まさに下剋上感がある。まるで違う世界だと思って背中を向けてビールを売っていた少年が“監督”になってそこに立たせてもらう日がきたとしたら、それは下剋上じゃないですかね」。物語の結末は読めないが、俳優陣らと一丸となり、日曜劇場の新たな名作を作り上げていく。
◇鈴木亮平(すずき・りょうへい)1983年3月29日生まれ、兵庫県西宮市出身。06年3月に東京外国語大学英語専攻を卒業し、同年7月にドラマ「レガッタ~君といた永遠~」で俳優デビューを果たす。07年12月に映画デビュー。18年に「西郷どん」でNHK大河ドラマ初主演。21年にTBS系「TOKYO MER~走る緊急救命室~」で日曜劇場初主演を務める。米留学経験ありで英語検定1級。世界遺産検定1級を保持する。