山田洋次監督 犬塚弘さんと永遠の別れ「善意が背広を着てコントラバスを演奏しているような人」 10本超の映画で起用
1950年代後半から60年代にかけて国民的な人気を博したグループ「ハナ肇とクレージーキャッツ」のメンバーで、俳優としても山田洋次監督の映画などで存在感を発揮した犬塚弘(いぬづか・ひろし、本名弘=ひろむ)さんが27日までに死去した。94歳。東京都出身。通夜、告別式は既に行われた。犬塚さんの死去で、クレージーのメンバーは全員がこの世を去った。
犬塚弘さんを10本超の映画で起用した山田洋次監督(92)は27日、「ワンちゃん、サヨナラ」、「ありがとう、ワンちゃん」と永遠の別れを告げた。
「遂にワンちゃんもか、という思いです。クレージーキャッツのメンバーは、みんなお人好しだったが、その中でもワンちゃんこと犬塚弘さんはとびぬけて好人物。善意が背広を着てコントラバスを演奏しているような人でした」と、その人柄をたたえた。
犬塚さんは64年の「馬鹿まるだし」で山田作品に初出演。本紙インタビューで「山田監督と仕事をすることで、仕事への姿勢というのが変わっていくことを感じ始めました」と、俳優として決定的な影響を受けたことを明かしている。
◆中尾ミエ「ついにクレイジー・キャッツが皆んな居なくなってしまいました。ザ・ピーナッツを始め、お友達が次々居なくなって、まさに昭和が終わったのだなと切実に感じました。シャボン玉ホリデーなどで楽しくご一緒させていただいたのが思い出されます」