芸術監督・吉田鋼太郎×主演・柿澤勇人 故蜷川幸雄氏からバトン「彩の国シェイクスピア」新章突入
俳優の吉田鋼太郎(64)が芸術監督として「彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd」を新たに立ち上げ、第1作目として舞台「ハムレット」(来年5月、埼玉・彩の国さいたま芸術劇場大ホール)を上演することが30日、分かった。主演を俳優の柿澤勇人(36)が務め、吉田はクローディアス役で俳優としても出演する。25年に第2弾「マクベス」、26年に第3弾「リア王」の上演も決定し、新シリーズも盛り上げていく。
世界的劇作家に魅せられている吉田が、“新たなシェイクスピア演劇”を提示する。
98年にスタートした「彩の国シェイクスピア・シリーズ」は、故蜷川幸雄氏の元でシェイクスピア全37戯曲を完全上演することを目指した企画。シリーズ完結間近で死去した蜷川氏からバトンを引き継ぎ、吉田は二代目芸術監督に就任。17年から5作上演し、今年2月上演の「ジョン王」で見事完結させた。
シェイクスピア作品を愛し続けてきた吉田ならではの解釈とエンターテインメント性が高い評価を受け、新シリーズへ突入。シェイクスピア戯曲の中でもう1度奥深さを伝えたい作品を吉田がセレクトし、年1本を目安に上演。難解と思われがちのシェイクスピア演劇を、気軽に楽しんでもらうことを目指す。
新シリーズ第1作目に選んだのは、不滅の金字塔「ハムレット」だ。主人公・ハムレット役は、吉田から厚い信頼を寄せられる柿澤が任された。2人は「デスノート THE MUSICAL」(15年)、「アテネのタイモン」(17年)、「スルース~探偵~」(21年)と共演を重ねており、どんな演出がなされるか注目される。
柿澤は「『ハムレット』という役は僕にとってプレッシャーでしかなく、僕が持っているもの全てを出してもかなわない大変な役。生半可な気持ちでできる物ではありません。全身全霊で挑みたいと思います」と気合。芸術監督として支える吉田は「ずっとハムレットをやってほしいと思っていた柿澤くんを迎えての『ハムレット』ということで、今からワクワクドキドキ、素晴らしいものができるのではないかという予感に満ちあふれています」と期待した。