【道頓堀狂乱の夜】37人飛び込み、ゴミ散乱のカオス ダイブ煽る群衆、警察に救出された半ケツ男性

 阪神の日本一に沸く道頓堀=戎橋(撮影・石井剣太郎)
 試合終了後の騒動が落ち着いた大阪・道頓堀
 道頓堀に飛び込み、救出された男性
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 阪神の38年ぶりの日本一を受け、大阪・ミナミの道頓堀川にのべ37人が飛び込んだことが6日、大阪府警への取材で分かった。府警は1300人態勢で厳重警戒したが、再三の制止にもかかわらず、ダイブは止められなかった。

 5日は試合開始直後からタイガースのユニホーム姿のファンらが道頓堀に集まり始め、8回にはグリコの看板を見渡す戎橋を中心に、身動きが取れないカオス状態に。試合終了とともに六甲おろしの大合唱が始まり、胴上げも続いた。

 混乱を避けるため、警察は「立ち止まらないで下さい」など拡声器を使い呼びかけたが、テレビに映るために来たというファンらは、テレビカメラが回ると勢いづき、ウイスキーの瓶を手に回し飲みしたり、テンションがアゲアゲに。警察もすぐに注意するのではなく、ある程度までは許容し、混乱が起きそうなタイミングで声がけに出向く姿がみられた。

 集まった人たちは、「優勝の瞬間を道頓堀でみんなと味わいたい」と大騒ぎを楽しみに来た人が多く、缶チューハイを飲みながら待つ人、優勝の瞬間をスマホで撮影する人で、道頓堀はハロウィンの渋谷を上回る狂乱状態に。混乱を避け、早めに閉店した戎橋近くのコンビニでは、開いていると思い込み、閉まった扉に突進する人も相次いだ。

 戎橋に人が集中するのを避けるため、警察があえて規制をしなかった戎橋東側の遊歩道には人があふれ、そこから飛び込む人が続出。府警が警備した6日午前2時15分までの間で、のべ37人がダイブ。1人で2回飛び込んだ人もいた。カーネルサンダースのコスプレや、女子のスクール水着で飛び込む人…。集まった人たちは拍手したりはやし立ててダイブを煽った。泥酔しているのかフラフラしながらズボンを下げた半ケツ状態で飛び込んだものの、川から上がれず、救命浮輪にようやくつかまり、警察のボートに救出される男性もいた。危険な状態だったこの男性の後にも多くの人が飛び込んだ。

 大阪市によると、阪神のリーグ優勝時に続き、川の水位を普段の約3メートルから約50センチ引き上げたという。

 騒ぎがやや収まった午後11時半すぎ、道頓堀の遊歩道は、ゴミが散乱し、狂乱の宴を物語る光景となっていた。

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