藤井聡太竜王「盤上没我」八冠防衛の決意 ほっこり鉄道ファンぶりも「函館本線の山線に…」
将棋の第36期竜王戦七番勝負第4局に勝利し、4連勝で八冠を防衛した、藤井聡太竜王(21=名人・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖との八冠)が一夜明けた12日、北海道小樽市「銀鱗荘」で会見を行った。竜王戦で今年のタイトル戦は終了。八冠を達成した激動の1年を振り返りつつ、色紙に「盤上没我」としたため、将棋への決意を新たにした。
藤井竜王は11日、伊藤匠七段(21)に129手で勝利し、八冠達成後初のタイトル防衛を果たした。タイトル戦初登場から負けなしで通算19期を達成し、故・大山康晴十五世名人の持つ、タイトル19期連続獲得の最多記録に並んだ。
一夜明けて、改めて「防衛の喜びを感じているところもあります」と喜びの実感。「盤上没我」の言葉は、「盤上に没頭して集中して考える。対局中すぐにそんな状態になれるわけではないけど、今回のシリーズはそういう感覚になるときもあったので、その感覚を大事にしていきたいと思った」。同学年の伊藤七段と盤の向かった時間に、充実感たっぷりだった。
今年を振り返り、「タイトルに挑戦する機会をつくって、その中で結果を残せたことは、すごく大きなことだった」と評価する一方、「対局の内容に目を向けると力戦型というか、早い段階で定跡から外れることが多くなった。経験の少ない将棋に対応していけるかどうかがこれから一つの大きなテーマ」と課題も挙げた。
来年1月開幕予定の王将戦まで、2カ月余り対局が少なくなるが、「練習将棋など他の方法で補って、モチベーションを保って、取り組んでいければと思います。まとまった時間が取れる面もあるので自分の将棋を振り返って見つめ直す機会にできればと思います」と語った。
「竜王獲得したお祝いに、どこにでも行けるならどこに行ってみたいか」と問われると、「鉄道で函館本線の山線(長万部~小樽)に乗る機会があればなと思います」と、鉄道ファンぶりを見せつけた。