藤井八冠 タイトル防衛一夜明け 激動の1年、色紙に「盤上没我」
将棋の第36期竜王戦七番勝負第4局に勝利し、4連勝で八冠を防衛した藤井聡太竜王(21=名人・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖との八冠)が12日、北海道小樽市「銀鱗荘」で会見を行った。竜王戦で今年のタイトル戦は終了。八冠を達成した激動の1年を振り返りつつ、色紙に「盤上没我」としたためた。
「盤上没我」の言葉の意図は、「盤上に没頭して集中して考える。対局中すぐにそんな状態になれるわけではないけど、今回のシリーズはそういう感覚になるときもあったので、その感覚を大事にしていきたいと思った」と説明。同学年の伊藤七段との対局に、充実感たっぷりだった。
今年を振り返り、「タイトルに挑戦する機会をつくって、その中で結果を残せたことは、すごく大きなことだった」とした一方、「対局の内容に目を向けると力戦型というか、早い段階で定跡から外れることが多くなった。経験の少ない将棋に対応していけるかどうかがこれから一つの大きなテーマ」と課題も挙げた。