北野武監督「日本の芸能界は昔からひどいもん」 喜多川氏性加害、宝塚、メディアもメッタ斬り
映画監督の北野武(76)が15日、東京・日本外国特派員協会で最新作映画「首」(23日公開)会見を行った。「HANA-BI」「座頭市」などの名作を監督し、本作もカンヌ国際映画祭に出品された“世界のキタノ”を求めて、海外メディアも多数集結。旧ジャニーズ事務所元社長の故・ジャニー喜多川氏の性加害問題や、宝塚歌劇団の劇団員の急死などで揺れる日本芸能界に対する厳しい質問が飛ぶ中、持ち前の“毒ガス”で日本芸能界をメッタ切りにした。
「初めまして、ジャニー北野川です」。世界の記者たちに向け、北野監督はいきなり先制パンチ。さらに「ウワサを聞くし、いろんな人からよくあったことだと聞く。自分たちにとっては、それ(性加害)は当然にあるだろうなとしか、当時考えてなくて。最近になって世界中で大変な問題になっているのは、時代の流れかなと思う」と見解を述べた。
性加害やパワハラなどの問題が露呈してきた芸能界。「商品として人間を扱って、見せ物としてお金を稼ぐ商売で、昔からの慣習が残っている」と分析し、「自分もお笑いの世界に入って、働いた分の賃金ももらえない時代があったので、日本の芸能界は昔からひどいもんだと思ってました」と切り捨てた。
宝塚の騒動には、「(芸能界は)パワハラは少しはあるけども、前ほどひどくはない」としつつ、「相変わらず作法や礼儀にうるさく、競争のプレッシャーが残っている組織もある。宝塚みたいなのは相変わらず独立して、完全に自分の世界を守っている」と厳しく指摘。「今の日本はその入れ替え時。新しい形のエンターテインメントの世界ができつつある」とした。
さらに、“芸能界の闇”を醸成したメディアの責任も追及し、「大手プロダクションとの癒着は、昔から目に余るものがあって、ひどいなぁと。自分はそういう世界で、よくぞ今までやってこられたなと安心感はあります」とニヤリ。「闇の部分を、どうやって取り除いていくのかは興味が非常にあります」と期待も語った。