趣里 はつらつ朝ドラ「ブギウギ」から一転、向き合った「令和の貧困」 硬派な題材「しっかりと自分も向き合わないと」
女優の趣里(33)が主演するWOWOWの連続ドラマ「東京貧困女子。-貧困なんて他人事だと思ってた-」の放送と配信が、17日にスタートする。東洋経済オンラインの連載が1億5000万PV超という話題作の映像化で「令和の貧困」をリアルに映している。放送中のNHK連続ドラマ小説「ブギウギ」でも主人公を熱演している趣里がデイリースポーツのインタビューに応じ、硬派な作品への向き合い方や、交友関係などを語った。
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「貧困」とはどこかの誰かに当てはまることではない。そんな実情を、中村淳彦氏の「東京貧困女子。彼女たちはなぜ躓(つまず)いたのか」を映像化した本作は強烈に訴えかける。
趣里が演じるのは、経済誌の契約編集者でシングルマザーの主人公・雁矢麻子。ひょんなことから貧困女性の取材を行うことになり、絶望的な貧困に落ちる女性の現実や自らの目線を通じて、社会の矛盾を浮き彫りにしていく。
「やらせていただくのはありがたいなと思ったんですけど、題材的に難しい。しっかりと自分もこの問題に向き合わないといけないなと思った」
貧困女子の実情を知っていく主人公に身を重ね、「一つ一つの瞬間を大切に、ウソっぽくなく、向き合えたらなと。実際に取材で会うのはすごく魅力的な人ばかりだったので、素直にリアクションをしていきたいなという感覚」と、役に真っすぐ向き合った。
相棒役のライター・崎田祐二を演じる三浦貴大(38)とは、ドラマ「リバース」で夫婦役を演じたのをはじめ、映画「流浪の月」や「愛にイナズマ」で共演してきた間柄。作中では価値観をぶつけ合う役どころだが、現場では「もともと仲良いんですけど、楽しかった。(三浦は)ムードメーカーで、すごい良い仲間ができた」と、笑顔で明かした。
社会の現実を扱うテーマの作品だからこそ、「絶対こう受け取ってくださいっていうのはない」と言う。「何かしら作品を見て思ってもらう、考えてもらえれば」。
はつらつとした朝ドラとはまた異なる女優・趣里の魅力が、本作には詰まっている。
◆趣里(しゅり) 1990年9月21日生まれ、東京都出身。4歳からクラシックバレエを始め、15歳でバレリーナを目指し英国留学するも、17歳の時にケガで断念。11年にドラマ「3年B組金八先生」のスペシャルでデビュー。18年公開の主演映画「生きてるだけで、愛。」で第33回高崎映画祭最優秀主演女優賞、第42回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。両親は俳優の水谷豊と伊藤蘭。