山田太一さん死去 「ふぞろいの林檎たち」組が追悼 中井貴一「台本から、人としてのあり方までも教わった」 手塚理美沈痛
名作ドラマ「岸辺のアルバム」「ふぞろいの林檎たち」などで知られる脚本家の山田太一(やまだ・たいち、本名石坂太一=いしざか・たいち)さんが、老衰のため11月29日に川崎市の施設で死去したことが1日、分かった。遺族の意向で、フジテレビが報道各社に発表した。89歳。東京都出身。葬儀は故人の遺志により家族で行う。喪主は長男の石坂拓郎(いしざか・たくろう)氏。
「ふぞろいの林檎たち」組の俳優が、山田さんを追悼した。
仲手川良雄役を演じた中井貴一(62)はブログで、初日の台本読みを終えて「私の台本は、語尾の一つまで考えて書いておりますので、一字一句変えない様に芝居をして下さい」と求められたと回想。「実に辛辣にお話をされる方でも有りました。台本を通して、私に芝居というものを教えてくださっただけでなく、その台本から、人としてのあり方までも教わった様に思います」と感謝した。
西寺実役の柳沢慎吾(61)は所属事務所を通じ「撮影現場に突然お越しいただくだけで、一瞬にしてスタッフ・出演者に緊張感が走ります。リハーサルをとても大事にされ何度も何度もやり直しの数々、放送後に『あのシーン良かったですよ』と言っていただいた微笑みが今でも忘れられません」と述懐。「役者として一から学び、台本を通して人となりまで長い時間をかけて学ばせて貰った」と感謝した。
中井は「もう一度、山田さんの台本で芝居がしたかった」、柳沢も「もう一度、山田先生とご一緒したいと、今でもキャストとスタッフで願っておりました」と惜しんだ。
水野陽子役の手塚理美(62)は所属事務所を通じ「心を痛めておりまして、今はコメントを控えさせていただけましたら」とした。
ドラマデビューだった高橋ひとみ(62)はインスタグラムで、山田さんと生涯の親友だった寺山修司が生前、山田さんに頼んで伊吹夏恵役を作ったことを説明。「いまだに越えることのできない大切な作品」「お仕事を続けさせていただけるのも山田太一先生のおかげ」と感謝した。