加藤シゲアキ 「伊集院先生、きっと見てくださっている」2度目の直木賞候補 NEWSメンバーも祝福
作家としても活躍するNEWS・加藤シゲアキ(36)の最新書き下ろし長編小説「なれのはて」(講談社)が、「第170回直木賞」の候補作に選出されたことが13日、日本文学振興会から発表された。加藤の同賞ノミネートは前作の「オルタネート」(2020年12月刊行)以来、2作連続2度目。この日、都内で会見を開き、喜びを語った。
加藤は“先生”のオーラを放っていた。2作連続での選出に「素直にすごくうれしかった」と、穏やかな笑顔を浮かべた。
前作は青春小説だったが、今作は令和から戦前戦後の昭和、大正を描き、一枚の絵の謎をめぐるミステリー。自身のルーツでもある秋田を舞台に、日本最後の空襲といわれる土崎空襲を題材とした巨編で「30代半ばの本が好きな男として、自分がより楽しめる、自分が書かなくてはいけないものがあると感じていた」と口にする。
執筆をきっかけに、秋田に住む祖母(90)に空襲の実体験を取材。「僕は広島生まれでもあり、戦争の語り手がだんだんいなくなっていくことについて危機感があった。経験していない者が語り継いでいかないといけないと思っていた」と、使命感がおのずとペンを走らせた。
作家デビューから11年。アイドルとの二刀流に挑み続けている姿を見守ってきたNEWSのメンバーたちからも、「おめでとう」と祝福されたという。
「オルタネート」で吉川英治新人文学賞を受賞した際の選考委員だった作家・伊集院静さんが11月24日に死去。アイドルの文壇デビューを快く迎えてくれた故人に思いをはせ、「伊集院先生の感想が聞けないのは心残り。でも、きっと見てくださっていると思います」と悼んだ。
その他の候補作は次の通り。▽河崎秋子「ともぐい」▽嶋津輝「襷(たすき)がけの二人」▽万城目学「八月の御所グラウンド」▽宮内悠介「ラウリ・クースクを探して」▽村木嵐「まいまいつぶろ」。