【山田美保子のミホコは見ていた!】後藤久美子と武井咲の「顔」から湧き出るオーラと圧倒的な美しさ

 新年1月3日の夜9時放送「テレビ朝日開局65周年記念 松本清張 二夜連続ドラマスペシャル 第一夜『顔』」を一足お先に観る機会に恵まれた。

 30年ぶりにドラマ主演する後藤久美子と、初共演にしてW主演するのは武井咲。殺人犯を目撃した弁護士と、殺人を犯した覆面アーティストが二人の役どころである。

 ゴクミこと後藤は、流行語や社会現象にまでなった「国民的美少女」の元祖であり、「第二のゴクミ」を発掘すべく始まった「全日本国民的美少女コンテスト」の第11回大会でモデル部門賞とマルチメディア賞を受賞したのが武井咲である。

 そんな美少女時代のインパクトが強いためか二人とも実年齢よりも若く思われがちだが、後藤は49歳で武井は30歳。瑞々しさもありながら、さらに迫力を増した超ド級の美しさに加え、公私にわたりキャリアを積み重ねたからこそのオーラや凄まじさをまといながら対峙したのが「顔」である。

 オンエア前に、それぞれが番宣で出演していたバラエティ番組を見ていて感じたのは、彼女たちがもつ生活者としての一面である。芸能界の同年代の女優と比較すると結婚も出産も早かった二人が“私”の部分をストレート話す一言一言は珠玉の言葉に感じられた。

 そんな彼女たちの結婚までのプロセスや決断は、少なからず当時の芸能マスコミを騒がせたものである。これは以前、後藤と親しいヘアメイクアップアーティスト氏が言っていたことだが、「ちゃんと恋愛をしてきた人」。“ちゃんと”の意味は、都度、いい意味で自分主導で責任をもって真剣に向き合ってきたということで、私は同じことを武井にも感じている。

 近年の作品で思い出されるのは、後藤は2019年の映画「男はつらいよ お帰り 寅さん」。山田洋次監督が後藤の出演に強くこだわり、彼女に手紙を書いてオファーしたことは有名な話である。スクリーンの中に居てほしい圧倒的に美しい人、それが後藤久美子だ。

 当時のインタビューを読み返してみると、海外生活が長い彼女から見る「男はつらいよ」の感想に、改めてシリーズの魅力や、なぜ日本人の多くが寅さんを愛してやまないのかがより伝わってきた。

 そして武井の近作の中で印象的なのは、テレビ朝日で2017年7月期に放送された「黒革の手帖」と、2021年1月7日に放送された「黒革の手帖~拐帯行~」と言っていいだろう。当時、彼女の年齢やキャリアを考えると「まだ早い」と感じた視聴者が圧倒的だったのではないかと思う。だが武井は体当たりとも言うべき思い切りのいい演技で、そうした声を一蹴したのだった。いま振り返っても、武井が演じた元子は魅力的であり、どっしりした凄みもあった。そして本当に美しかった。

 果たして今回の「顔」では武井の歌唱シーンが話題となっている。作品内の“軸”になる部分だと感じた武井が「私にやらせてもらえないですか」と監督やプロデューサーに懇願し、夫のTAKAHIROの協力も得て曲目が決まったという。歌唱シーンは同局の「ミュージックステーション」チームが演出した本作の見どころの一つだ。

 そして弁護士役の後藤は、これまで私たちが見たことがなかった新境地と言っていい。

 1月3日は改めて、後藤久美子と武井咲、二人の「顔」を堪能したいと思う。

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