TBS日比麻音子アナ 女子アナらしく?イメージの壁乗り越え「全部やってみたい」 ビールに癒され「なんとか8年目」
TBSの日比麻音子アナウンサー(30)が、BS-TBS「おんな酒場放浪記」(金曜、後11・00)のレギュラーとして酒豪の本領を発揮している。報道番組「Nスタ」(月~金、後3・49)のメーンキャスターとしてニュースを伝える昼の顔から素に近いB面へと軽やかに変身。報道、バラエティー、スポーツ、ラジオ…とジャンルを越境するアナウンサー人生の原点には「イメージの壁」との格闘があった。
昨年10月から「おんな酒場放浪記」のレギュラーとなり、ロケで常連さんと絡む姿が新鮮だ。初回から川崎を訪れ、ビールからの濃いめ2杯をぐいっ。収録前にはディレクターから「アナウンサーの自分は忘れて下さい」とお願いされたという。
入社8年目。「カメラ前に立つとしっかりしゃべらなきゃって思うんですけど、もう初回から『捨ててください』と言われまして。正直難しかったですが、お酒が入れば簡単に捨てられました。オンエアを見た母は『今までで1番笑った』と言ってくれて、家族が言うならいいのかなって思ってます」と笑う。
入社時からビール好きを公言。同期の山本恵里伽アナとお酒を愉しみ、いつか「-酒場放浪記」に出演したいとアピールを続けてきた。21年には公式プロフィールにビールが好きだと加筆。今回のレギュラー起用は「イメージの壁」を超えたいと戦い続けてきた歴史の結実でもある。
「女子アナでお酒を飲むって言うと、それこそ港区でシャンパン開けてチャラい飲み会してるんじゃない?野球選手と合コンしてるんでしょ?みたいなことをすごく言われたんです、入社の頃に。山本と2人でしっぽりと飲んでるだけなのに、なんでそんなことを言われるんだろうと悩んで、ビール好きも『公言しない方がいい』って人がやっぱり多かったです。いわゆる『女子アナ』にあんまりいいイメージを持っていなくて、形だけになりたくないとずっと思ってきました」
女子アナらしく。女子アナなんだから。今よりステレオタイプが根強い時代に、ずっと疑問を抱いてきた。
「それこそ入社当時に『何か1つに決めなさい。あなた、報道なの?バラエティーなの?全部やってると、どれもできなくなるよ』と言われたことがありました。それもなんでなんだろう?と思って。多分、そういう人がいなかっただけなんです。でも、私は全部やってみたい。大谷翔平選手の二刀流じゃないですけど、やる前にできないって決めたくない。全部やっていたら、意外となんとか8年目、という感じです」
「イメージ」を越境し続けてきたからこそ、今や仕事は1つに規定できない。「Nスタ」の月、火、金曜の総合司会として報道の場に立つ一方で「キングオブコント」などバラエティーの印象も強く、クイーンズ駅伝の実況は3年目を迎えた。
「毎日ほんとバラバラで、全然違う時間に起きて、全然違う時間に寝てます。例えば、朝から取材して、昼に『Nスタ』、夜に実況の準備。火曜日の夜はラジオで、水曜日はロケでした。めちゃくちゃですね、だいぶ」
思わず苦笑いするほど多彩な日々だが、1つだけ変わらないものがある。今日もまた、家でビールに癒やされている。
◆日比麻音子(ひび・まおこ)1993年7月5日生まれ。東京都出身。16年TBS入社。現在は「オオカミ少年」「Nスタ」「王様のブランチ」などを担当。ラジオでは「アフター6ジャンクション2」の火曜パートナー。BS「おんな酒場放浪記」には昨年3月の特番に初出演し、同10月からレギュラーとなった。