坂東玉三郎 篠山紀信さん悼む 寂しさ封印「写真は残る」10代から親交 共に旅行も

 篠山紀信さん撮影の坂東玉三郎「雪」
 坂東玉三郎
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 歌舞伎俳優の坂東玉三郎(73)が5日、大阪松竹座で行われた公演後に取材に応じ、10代の頃に初対面を果たし、長年にわたり公私で親交が深かった、4日に亡くなった写真家の篠山紀信さんをしのんだ。

 篠山さんは72年の写真集「女形・玉三郎」、07年には50万円の玉三郎の豪華写真集を撮影している。

 最後に会ったのは昨年12月21日で、中村勘九郎らの写真撮影に立ち会ったという。「体調が良くないから(撮影時間を)短く、って言われてたけど、すごい元気で、2、3時間撮っていたんです」と様子を語った。

 東京・国立劇場での撮影で出会い、最初は歌舞伎の基本とは全く異なるポーズでの撮影に驚いたというが、その後は「あうんの呼吸」で親交を深め、篠山さんの運転でヨーロッパ各地をドライブしたり共に映画鑑賞を楽しんだ。

 写真家としての篠山さんを「ほがらかでちゃめっ気があり、被写体の気持ちを開かせるという点においては、特別な力を持っていた」と評した。

 「残念で信じられないと思うけど、十分活躍しきった方だと思います」と、故人を悼んだ玉三郎。「もっといてほしかった、とか、寂しい、という言葉はあまり発したくない。写真は残るからね」と、最後まで柔和な表情で、共に激動の時代を駆け抜けた篠山さんに思いをはせた。

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