冠二郎さん死去 心不全、79歳 16年31歳差電撃婚 夫人とマネジャーに見守られ
「旅の終りに」「炎」などのヒット曲で知られる歌手・冠二郎(かんむり・じろう、本名・堀口義弘=ほりぐち・よしひろ)さんが1日、心不全のため、埼玉県内の病院で死去したことが11日、分かった。79歳。埼玉県出身。所属レコード会社の日本コロムビアが発表した。通夜、告別式はすでに親族のみで執り行った。お別れの会などは予定していない。
パワフルな歌声とユーモアあふれるキャラクターで歌謡界の人気者となった冠さんが、新たな年の初日にこの世を去っていた。
関係者によると、冠さんは2022年秋に体調不良で入院して以降、入退院を繰り返していた。そして1日午後4時24分、夫人とマネジャーに見守られる中、静かに息を引き取ったという。入院の以前からも心臓病や糖尿病などの疾患を抱えており、18年には虚血性心不全をわずらったことを告白していた。
冠さんは1967年に「命ひとつ」でデビューを果たしたものの、ヒットには恵まれず、長い“下積み”の期間を過ごした。76年にはレーベルを日本コロムビアに移籍。そして77年11月、歌手生活10周年記念曲として発売した17枚目のシングル「旅の終りに」がミリオンヒットを記録し、一躍脚光を浴びた。
91年には「酒場」が日本有線大賞の優秀音楽賞を受賞し、同年の「NHK紅白歌合戦」に初出場した。翌92年に披露した「炎」は、サビの部分での「アイ・アイ・アイライク演歌」と英語が用いられた歌詞や力強い振り付けが話題に。「アクション演歌の旗手」と称されて人気を博し、バラエティー番組などにも進出した。
15年には、デビューから48年間、年齢を5歳“サバ読み”していたことが発覚。デビューの際に「若い方が受けがいい」と勧められ、その後も「『お若いですね』と言われて、ついうれしくなって」と認めて謝罪した。16年には31歳下の一般女性と電撃結婚。“年の差婚”として注目を集めた。「一緒にご飯を食べ、風呂に入り、布団に入る」というラブラブぶりを語り「仕事が倍に増えた」と、公私両面での充実を明かしていた。