【山田美保子のミホコは見ていた!】先輩たちの言葉の重み 松本人志さんの件

 実は先週、「デイリースポーツ」本紙から原稿依頼があった。「松本人志さんの件で、テレビ業界、これからどうなる?といった“影響もの”のコラム」だ。

 同日も某番組の会議のため某局に出向いていたのだが、会議中、その話題にはならなかった。“世間話”としても当該タレントの名前さえ出なかったのである。

 その後、スポーツ紙や週刊誌、そしてWeb媒体などで「テレビ局は対応に追われている」という記事を連日のように見ている。確かに「追われて」はいるし、ダウンタウンやピンでの松本のレギュラー番組スタッフは都度、対応しているだろうが、この件で局全体がドタバタしているかと言われたら「NO」だ。

 もちろん、この先、1年2年と松本の活動休止が続いてしまうようであれば、現場によってはさらに大きな決断を迫られることになるだろうし、お笑い界への影響を考えれば、それは計り知れないものがある。

 そんな折、先週末は、明石家さんまや上沼恵美子がこの問題についてラジオやテレビのレギュラー番組でコメントした。既にネットニュースなどで内容を御存知の方も多いことだろう。

 さんまさんは「MBSヤングタウン土曜日」(MBSラジオ)で松本の子供に言及。上沼さんは「上沼・高田のクギズケ!」(読売テレビ・中京テレビ)で女性としての意見も含め、共に「M-1グランプリ」の審査員を務めたことや、同大会にまつわる“トラブル”について、松本が後輩芸人に代わって楽屋まで謝りに来たことなども含め、長尺で松本に対する想いを述べた。

 “後出し”となってしまったが、実は私は、さんまさんと同意見だ。近年、「人志松本の酒のツマミになる話」(フジテレビ系)で何度か耳にしたのは松本の愛娘についてのエピソードだ。自分から積極的にネタにするわけではないのだが、ゲストが家族や子供について話した際、娘さんの成長や彼女の“笑い”の好みなどについて話すパパとしての松本に、幾度となく微笑ましさを覚えたものである。

 直近の「~酒のツマミ~」では、千鳥の大悟が息子に浮気していることを問い詰められたことが話題になった。小学校の同級生から聞かれたという息子さんに対し、大悟が放ったことについて妻が全力で止めてきた…という話で松本も爆笑していた。

 年始ゆえ、収録日は“文春砲”よりも前だったと思われるが、松本が大悟の息子さんの話に自身の娘さんの話を重ね合わせたことは想像に難くない。さんまさんの「俺は、子どものため、と思う」は、私はハズレてはいないと思う。

 そして上沼さんは、「だいぶ凹んではるでしょうね」「真っ赤なウソでは私はないと思ってる」から「芸人さんの人生を決めたダウンタウン、そのぐらい大きな人なんですよ」まで、松本やダウンタウンのとてつもない存在の大きさに言及。「30年トップやねん。ちょっと気が緩み過ぎて脇が甘かったかなと思います」とズバリ言い切ったのだった。

 色々な人がこの件についてコメントしているなか、個人的に腑に落ちたのは、さんまさんと上沼さんのコメントだけだった。

 長年、業界の先頭をトップランナーとして走り続けていて、しかも年齢を重ねてくれば、当然、自分に意見を言ってくる人も居なくなれば、周囲の意見に耳を貸す機会も減ってくるだろう。そんな中、明石家さんま、上沼恵美子という関西のお笑いのトップランナーの二人が色々な想いを抱えながら番組で話したコメントが松本本人にストレートに届いていればいいなぁと心から思う。

 そして、スピードワゴン小沢一敬についての和田アキ子のコメントだ。「擁護じゃないですよ」と前置きしつつ、「アッコにおまかせ!」(TBS系)で「小沢の体調もあまり良くなくて」と気遣い、最後は「ホリプロとして、どうもすみませんでした」と謝罪したのである。

 小沢の所属事務所は系列の「ホリプロコム」。ホリプロのトップとして、何十年も所属タレント名鑑の最初のページに顔写真が掲載されているアッコさんが冠番組で自分のために謝ってくれている。これをプレッシャーと感じるのではなく“愛ある先輩からのコメント”として小沢くんに届いてくれたらいいと思っている。

 大先輩たちの言葉には本当に重みと愛がある。

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