板垣李光人 活躍支える「芝居の根っこ」 恩師の言葉が励み「現場で監督に成長をぶつけられる」

 俳優の板垣李光人(21)が、勢いに乗っている。昨年の大河ドラマ「どうする家康」の徳川四天王・井伊直政役やTBS系「フェルマーの料理」の料理人・孫六役が記憶に新しい俊英が、1月期のドラマでも存在感を発揮。「なにわ男子」の道枝駿佑が主演するテレビ朝日系ドラマ「マルス-ゼロの革命-」(23日スタート、火曜、後9・00)で主人公の右腕的存在・逢沢渾一を演じ、今年を幕開けした。大事にするのは恩師から授かった「芝居の根っこ」。若き演技派の素顔に迫る。

  ◇  ◇

 童顔に時折、色気がのぞく。20代前半とは思えぬ落ち着いた雰囲気で、板垣は今年の抱負を書き初めするなら「空」の字にすると答えた。「自分の外殻を『空』にして、いろんなものに混じり合っていくイメージです。人、作品、役もそうですけど、表現っていうものを固めたくない。さすらっていきたいんですけど…行方知れずです」。いたずらっぽく笑う柔和な表情を見て、どんな役にも染まる理由がわかった気がした。

 「井伊の赤鬼」として戦場を駆け、二つ星レストランで料理に魂をかけた昨年を経て、2024年は革命を目指す。「マルス-」は、19年放送のドラマ「3年A組-今から皆さんは、人質です-」で知られる脚本家・武藤将吾氏による3年ぶりのオリジナルドラマ。カリスマ転校生・ゼロに導かれた落ちこぼれ高校生たちが、大人社会へ反旗を翻していく。

 主演の道枝とは、21年のドラマ「生徒が人生をやり直せる学校」で共演し、互いに「みっちー」「りひちゃん」と呼び合う仲。一緒にディズニーランドに行くなど気心が知れており「二人とも割りかし低体温で温度感が一緒なので、疲れないし、落ち着きます」と波長が合う。ゼロに振り回される右腕役とあって「どう演じてくるのか分からないので、どう振り回してくれるのか芝居を通して体験できるのが楽しいです」と切磋琢磨(せっさたくま)している。

 恩師との再会も力の入る理由だ。映画「約束のネバーランド」(20年公開)や「生徒が人生-」で演出を受けた平川雄一朗監督が本作を担当。「フェルマー-」出演時には「根っこがあるよね」と感想メールが届き、励みになったと明かす。

 「根っこ」とは?

 「言葉であんまり説明しづらいんですけど」と前置きして、続けた。

 「『約ネバ』で芝居の根っこを教えていただき、大事にしてきました。本当に『先生』です。心がどこにあるのか、頭で考えると軽くて薄いものになってしまう。腹の底にある、そこに人間が生きてきた、いろんなものの積み重ねがあって、出てくるのが1つ1つのセリフ。現場で監督に成長をぶつけられる、見せてやろうっていうのは嬉しいし、楽しいです」

 「反骨精神が豊かだった」と事務所のレッスンにはほとんど通わず、我流で突き進んできた先で出会った平川流。低体温の内側で、青い炎が燃えていた。

 ◆板垣李光人(いたがき・りひと)2002年1月28日生まれ・山梨県出身。名前はドイツ語の「光」が由来。2歳からモデル活動を始め、小学5年生のときに現在の所属事務所のオーディションに合格。主な出演作はドラマ「仮面ライダージオウ」「silent」など。今年は映画「劇場版 君と世界が終わる日に FINAL」「陰陽師0」などが待機。

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