杏8年ぶり長編映画主演 難役“疑似親子”の母も「今の自分ならできる」 フランス移住前に撮影

 女優の杏(37)が映画「かくしごと」(6月7日公開)に主演することが6日、分かった。長編映画主演は2016年の「オケ老人!」以来、8年ぶりで2作目。記憶喪失の少年に、自分が母親だとうそをついて一緒に暮らし始める主人公を演じる。

 物語は一つのうそをきっかけに、それぞれの“かくしごと”が明らかになっていくヒューマン・ミステリー。作家・北國浩二氏の小説「嘘」が原作だ。

 杏が演じる絵本作家の千紗子は、長年確執があった父親の介護のため田舎へ戻り、事故で記憶を失った少年を助ける。少年の体に虐待の痕を見つけると、少年を守るため自分が母親だとうそをつき、認知症が進行する父親と3人で暮らし始める。少年との疑似親子はやがて、本物の親子のようになっていくが、幸せは長くは続かない-。父・孝蔵は杏と初共演の奥田瑛二(73)が演じる。

 撮影は、杏が双子の娘(7)と長男(6)とフランスへ移住する直前の2022年8月に神奈川、長野、千葉県でオールロケを実施。移住前最後の撮影作品となった。杏は「難しいシチュエーションの役だと思いました」と当時を振り返り、「ただ、もしかしたら、今の自分だったらできるかもしれない、と思い、役に挑みました」と決意に至るまでを明かした。関根光才監督は「これまでに見たことがない生々しい感情を演じる杏さんが見られる作品」と力を込めた。

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