ザ・ぼんち 「ザ・セカンド」参戦は「70代の青春」 若手と「同じ土俵で」賞レース挑戦

 結成から52年、1980年代の熱狂的な「漫才ブーム」を引っ張ったぼんちおさむ(71)と里見まさと(71)のレジェンド漫才コンビ「ザ・ぼんち」が、結成16年以上の漫才師ナンバーワン決定戦「THE SECOND~漫才トーナメント~」に初出場する。13日に大阪市のYES THEATERで行われる初戦の「大阪選考会」を前に、若手と肩を並べて賞レースに挑む原動力を語り、親交の深い人気若手コンビ・金属バットとのエピソードも明かした。

 80年にフジテレビのネタ番組「THE MANZAI」でブレークし、81年のレコード「恋のぼんちシート」が80万枚の大ヒット。異例の日本武道館ライブも成功させた2人をTHE SECOND出場へと突き動かしたのは、昨年から大宮や幕張、福岡など若手が活躍する劇場に出演した体験だった。

 おさむ「若手ばっかりで、僕らにしたらアウェイ。若手の中にもまれて、お客さんも僕らのこと知らん人ばっかりやから、ハラハラドキドキしながら。でも、それはそれで楽しかった」

 まさと「あの圧というか、彼らの熱に、そこへ入っとかな損やなというぐらいの気持ちに(なった)。彼らを見ていて、同じ土俵でやりたいとほんまに思わしてくれました」

 まさとはTHE SECONDのためにネタを磨く若手の姿に「自分たちの若い頃を思い出させてくれるような感じになる」と刺激を受け、約1年前から出場を意識。「まさしく“ザ・セカンド”で出てきてはるわけですから、われわれも年齢に関係なく、そのように何かを作って出なくては」と、セカンドチャンスを目指す漫才師と対峙するための策を考えていたという。

 同じ頃、ブレーク前の「世の中に出ていきたい」と願った20代前半に披露していた漫才のリメークネタを単独ライブに向けて作っていたことも決断を後押し。今年1月5日にまさとが決心し、相談を受けたおさむも「いてまえ」と出場を決めた。

 おさむ「今やらんとあかんと思うんです。やりたいことは後に置いといてもしゃあない。今年72(歳)ですからね。そんなにたくさんチャンスが巡ってくるわけやないし。漫才ブームの20~30代の青春があるけど、今は70代の青春。青春できる間は青春しとかんとね」

 親交の深い人気漫才コンビ・金属バットからは、出場するかどうか探られていたが、1月17日に公になったことで改めて問いただされたという。まさとは「『花を摘む気ですか』と聞くから『いいえ、どんな花か見に行くんです』と言った」とやりとりを明かしてニヤリ。おさむは「金属バット、すごいですよ。見た目はガラ悪いけどネタはしっかりしてて、しゃべりもしっかりして、ネタも本数ある」と、結成17年目の後輩を大絶賛した。

 となれば、金属バットも今大会でのライバルとなる存在。それでもまさとは「『ライバルは金属バット』と活字にしてくれはるんやったらわれわれはいいですけど、向こうが勘弁してくれって」と笑い飛ばした。

 今大会では、勝負であるからには高みを目指すが、勝つための“競技用”の漫才はしないと決めている。まさとは「71歳のザ・ぼんちが型を破ってると言われようが何と言われようが、今私たちがやれるのはこういう漫才です、というのをぶつけるだけ。すっ飛んだ漫才になってまうかも分からへんけど、それでええんちゃうかな」。おさむも「自分たちのカラーを見てもらいたい。賞レースの漫才とかじゃなくて、ザ・ぼんちはこんな漫才っていうのを見てほしい」と力を込めた。

 ◆ザ・ぼんち ぼんちおさむ(1952年12月16日生まれ、大阪市出身)と里見まさと(52年4月25日生まれ、兵庫県出身)のコンビ。大阪・興國高校の同級生。1972年10月に結成し80年、フジテレビ系「THE MANZAI」で大ブレーク。81年には「恋のぼんちシート」が売り上げ80万枚の大ヒット。86年にコンビ解散後、おさむは俳優、まさとは漫才コンビ「里見まさと・亀山房代」として活動。02年に「ザ・ぼんち」を再結成。上方漫才大賞(1981年)などを獲得。

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