ザ・ぼんち「THE SECOND」慣れない6分漫才にマル秘策 審査員経験あり大ベテランの賞レース戦法【後編】
結成52年のベテラン漫才コンビ「ザ・ぼんち」が、結成16年以上の漫才ナンバーワン決定戦「THE SECOND~漫才トーナメント~」に初出場する。初戦の「大阪選考会」はYES THEATERで13日。ぼんちおさむ(71)と里見まさと(71)が、「ネタ時間6分以内」のルールに対応する“秘策”や、レースの戦い方を語った【インタビュー後編】。
◇ ◇ ◇
今大会のネタ時間は6分以内。なんばグランド花月の10分や、営業の15分の持ち時間に慣れているだけでなく、「テンション上がって時間分からなくなるんでね」というおさむの名物的“暴走”の可能性もあり、2人にとっては大変な調整が必要になる。
まさと「(ネタ時間が延びすぎて)今年の正月の仕事では、時間出しのカンペを見たら『もう勘弁してください』というような字を書いてあったから、言葉で『ネタ飛ばしまーす』って言うて、やった。(SECONDで)それもあり(笑)」。
おさむ「時間が来て俺が終わりそうないなら、相方が『もう時間です。終わらなあかんよ』、俺が『はい、終わります』って言って終わるから(笑)」。
ネタを大胆にカットする時短プランも用意しつつ、制限時間に収まるよう「詰めていってる」(まさと)という。
若手の熱量に刺激を受けた2人は「同じ土俵でやりたい」と出場を決意した。勝負であるからには高みをめざすものの、勝つための“競技用”の漫才にはしないと決めている。
賞レースの審査員経験があるまさとは「こういうのんって結局、点の上積みをしていくんです」と勝ち筋を分かっているが、「僕はやるつもりない」ときっぱり。「71歳のザ・ぼんちが型を破ってると言われようが何と言われようが、今私たちがやれるのはこういう漫才です、というのをぶつけるだけ。すっ飛んだ漫才になってまうかも分からへんけど、それでええんちゃうかな」と語る。おさむもこだわりは同じで「自分たちのカラーを見てもらいたい。賞レースの漫才とかじゃなくて、ザ・ぼんちはこんな漫才っていうのを見てほしい」と力を込めた。
70歳を超える大ベテランでも稽古は欠かさない。まさとは今でもネタの改良に向き合っているといい、「今日もNGKの1回目に出る前に『こんなんどうやろ。いっぺん、ここはポンポンポンと3ついってまえへん?』と(案を出した)。それは夜、寝てる時に頭よぎってた。電車の中とか、そんなことばーっかり考えてる」と笑った。
おさむは「僕はいつまでも『おさむちゃんでーす!』と言うて走り回れる芸人でありたい。それだけですね」と大きな声で宣言。「チャレンジしていくことが大事であって、元気がなかったらダメ。でも、僕は80、90(歳)になってもアホみたいなこといっぱいできますようにって神棚にお願いしてるんです」と目標を語った。
◇「THE SECOND~漫才トーナメント~」初戦の「大阪選考会」は2月13~14日、YES THEATERで。次戦は3月、4月と続き、最終決戦は5月にフジテレビ系で生放送される。
◇ザ・ぼんちは3月9日、若手時代のネタをリメークした漫才などを披露する「ザ・ぼんち単独ライブ~バック・トゥ・ザ・ネタ~」ツアーの最終公演を愛知県「万松寺 のぶながホール」で開催する。