平野レミ 父は日米ハーフの仏文学者 学校「やめろ」理由聞かずに背中押す 吃音も「もっとどもれ」と勇気
料理愛好家の平野レミのドキュメンタリー「だから、私は平野レミ」が12日、NHK総合で放送された。家族への思いを語った。
レミは仏文学者の日米ハーフの父・平野威馬雄(ひらの・いまお)さんと日本人の母・清子さんの間に生まれた。兄と妹がいる。威馬雄さんの父、つまりレミの祖父はアメリカ人のヘンリー・パイク・ブイ氏。威馬雄さんはファーブルやモーパッサンなどの翻訳で知られ、詩人でもあり、博物学や幽霊、UFOの本なども手がけたこと、「混血」といじめられ、戦時中にはスパイと疑われたこともあったことなどがナレーションで説明された。
レミは「お父さんはすごくね、優しくてね、気持ちの大きな人でね、面白くてね、明るくてね、いろんなこと知っててね、冗談ばっか言っててね、カッコイイお父さん。大好き!」とまっすぐに語った。
1986年に亡くなった父は、50年にわたり日記を書き続けており、15歳のレミについて「ほんとにレミという子は変わっているけれど 気持ちのいい子どもである」と書き残していた。レミは「(お父さんは)レミは面白い、面白いと言ってた。だって、どもるでしょ、私。『もっとどもれ、もっとどもれ』って言ってね。『どもりはかわいいから』って。(吃音を)直せなんて言わない」と涙ぐみそうになりながら振り返った。
また高2の冬には先生の言うことに納得がいかず、学校を飛び出し、その後、学校には行かず、毎日、電車に乗って時間をつぶす日々が続いた。勇気を出して父に「学校やめたくなっちゃった」と打ち明けると、何も理由を聞かずに、「やめろ」。レミは「何百回その話しても涙出てきちゃう。うれしくてうれしくて」。父は学校をやめる代わりに「好きなことを徹底的にやれ」と伝えたという。