【山田美保子のミホコは見ていた!】漫才発祥の地のテレビ局が作る漫才特番

 2月10日付の「朝日新聞」の「はじまりを歩く」という記事に、「漫才」の“はじまり”として、愛知県安城市、知多市、名古屋市という地名が挙げられていたことに驚いた。

 「漫才」の起源をたどると祝福芸の万歳に突き当たる…とした記事には名古屋出身の若手漫才コンビ「空飛ぶリビング」の近況も紹介されていた。“名古屋”“漫才”と言われて浮かぶのが、18日午後1時55分から放送される「スターの地元を笑いで深堀り!ふるさと漫才2024」(メ~テレ・テレビ朝日系)である。

 メ~テレとは名古屋市中区にある名古屋テレビ放送。テレ朝系列の在名局で、今回は同局が制作し、全国ネットで放送されるため、朝ワイドの「ドデスカ!」や、夕ワイドの「ドデスカ!+(プラス)」で熱心な番宣が繰り広げられているところだ。

 一足お先に見せてもらったのだが、お笑いズキ、漫才ズキにはもちろん、今回とりあげた“ふるさと”が、大谷翔平選手を生んだ「岩手県奥州市」と、藤井聡太八冠を生んだ「愛知県瀬戸市」ということで、“令和の二大スター”のファンである幅広い年代の視聴者にもおおいに楽しめそうな内容だった。

 奥州市へネタ探しに行ったのは「スリムクラブ」、瀬戸市へ向かったのは「ミルクボーイ」。共に「M-1グランプリ」のファイナリストと優勝者であるが、その個性や漫才の展開は大きく異なる2組でもある。

 やや辛口な「スリムクラブ」と奥州市の皆さんとのミスマッチとも言うべきやりとりはおおいに笑えたし、瀬戸市の場合は、藤井八冠が小学生の頃から取材をし続けてきた“地元”のメ~テレだけあって、かなりディープなネタが段積みされていた。

 その中にはもちろん、“飯島さん”も登場する。「瀬戸市銀座通り商店街」で空き店舗のシャッターを利用した将棋の大盤をニュースやワイドショーなどで御覧になった方は多いのではないか。その大盤を取り仕切っているのが同商店街でセレクトショップ「noveRuga」を営む飯島加奈さんなのである。

 ルックスの華やかさとコメントの的確さで、藤井八冠が取り上げられる番組での彼女の登場率は、あの「スーパー アキダイ」(東京)の秋葉弘道社長に勝るとも劣らないほどだ。

 藤井八冠ファンが“聖地巡礼”に訪れる際にも彼らが必ず覗くのが飯島さんの店で、今回彼女が新たにどんな“ネタ”を提供してくれるのか。乞うご期待だ。さらに、「スリムクラブ」と「ミルクボーイ」が奥州市と瀬戸市の取材で仕込んだ漫才ネタを披露するのは、東京・浅草の「木馬亭」。番組を仕切るのは今田耕司と、みちょぱで、彼らも観客と共に初見のVTRと漫才を劇場で堪能する。

 「~ふるさと漫才2024」というタイトルには、「M-1グランプリ」のファイナリストと全国の“ふるさと”とを結びつけ、定期的な特番として継続するという制作側の意気込みがこめられているように思う。

 バラエティ専門放送作家として、そして、お笑いズキの一人として、漫才(万歳)発祥の地の一つ、名古屋市のメ~テレ制作陣にはおおいに期待したい。

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