女優の山本陽子さんが亡くなったことが２２日、分かった。８１歳だった。清廉な女性から悪女まで、さまざまな女性を演じ分けた実力派。また、生涯独身を貫くも、その美しさからたびたび恋路も報じられ、話題を呼んだ。

　山本さんは野村証券に勤務していたが、知人が日活ニューフェイスに応募したことから人生が変わる。合格し第７期生としてデビュー。当時は吉永小百合、松原智恵子、和泉雅子の「３人娘」の全盛時で、なかなか作品には恵まれなかったが徐々に才能が開花。テレビドラマなどに積極的に出演し、人気を博していく。

　プライベートでは、７３年にドラマ「白い影」で共演した田宮二郎さん（故人）との不倫が報じられ、注目を浴びることに。

　その後も、４２歳の時にやはりドラマ共演がきっかけで２１歳年下の俳優・沖田浩之さんとの交際が発覚。８４年には沖田さんが堂々の交際宣言をし「僕にとって陽子さんはすべてです。恋人であり、結婚相手であり、そして母親でもあります…」と語ったことも。８６年には破局が報じられるも、その年齢差から当時は大きな話題を呼んだ。

　だがそんな沖田さんは９９年３月に急死。山本さんはかつての恋人の突然の旅立ちに「彼は非常に優しくて、完ぺき主義者で、誰からも愛されて素晴らしい人間でした。いまは青春の１ページとして（沖田さんとの思い出を）残しておきたいです」といって涙を流していた。

　その後も山本さんは独身を貫き、熱海に移住。車の運転が大好きで、和服のしっとり美人のイメージとは違ったアクティブな一面もあった。