ドラマ「黒革の手帖」や映画「八つ墓村」などで知られる女優の山本陽子（やまもと・ようこ）さんが２０日、急性心不全のため静岡県熱海市で死去したことが２２日、分かった。所属事務所が明らかにした。８１歳。東京都出身。葬儀は親族のみで執り行い、後日、お別れ会を企画するとしている。

　山本さんは女優業を中心に活躍する傍ら、洗練された上品なイメージで数多くのＣＭに起用された。１９６７年から専属モデル契約をかわした「山本海苔店」では同社の顔として５７年にわたって活動。２０１０年に「専属タレント契約の世界最長記録」としてギネス認定を受けた。

　同社は公式サイトで「いくつになっても変わらない凛とした美しい佇まいで『山本海苔店といえば山本陽子』『山本陽子といえば山本海苔店』というイメージを作り上げてくださいました」と功績に感謝。「大スターであるにもかかわらず、大変親しみやすい優しいお人柄でもありました」とつづった。

　同社の入社３年目となる担当者は「昨年末も、ごあいさつで弊社にお越しいただいて。デニムにピンヒールを履いて、すごく凛とされていた」と回想。近年はカタログ撮影などで頻繁に打ち合わせていたといい「スターだし近寄りがたいと思っていましたが、私のような目下の人間にも親しげに、いろんなお話をしてくださって」と明かした。印象的なこととして「私の名字は漢字が読みにくく、間違われることが多いんですが、ちゃんと覚えてくださって、お会いする度にいつも笑顔で名前を呼んでくださった」と人柄をしのんだ。