柏木由紀 「歴史を感じるコンサートに」 AKB在籍17年32歳 最初で最後の単独センターへ意気込み

 3月16日に卒業コンサート(ぴあアリーナ)を控えるAKB48の柏木由紀(32)がこのほど、17年間の活動を振り返り、思いを語った。これまで50枚以上のシングルに参加し、63枚目「カラコンウインク」で初の単独センターを務める。3期生で在籍メンバー最後の1桁期生としてグループの下積み時代も知る柏木が未来のAKB48への期待も明かした。

 愛するグループからの卒業の時は近づいている。15歳から在籍して、今回が最初で最後の単独センター。「単独センターという夢だけが唯一、17年間でかなえられていなかった夢。最後にやらせていただけて本当にハッピー、最高、うれしい」と笑顔を見せた。

 グループ史上最年長の32歳まで在籍し続けた。時には「いつまでいるの?」や「早く辞めたら?」といった否定的なコメントも目に入った。それでも、いざ卒業を発表すると「『辞めないで』って(言われる)。話が違うじゃないかって思うくらい。でもうれしい」と感謝。「結局33になる歳までいて、後輩となんとか今のAKBを盛り上げたい気持ちで動いていたことが意外と認めてもらえていたんだ」。ファンの温かさも改めて実感した。

 加入当初こそ、ここまでの長期在籍は「1ミリも想像できなかった」。前田敦子や板野友美、高橋みなみら同じ91年組が勢いに乗っていた時期も「私は乗れていない」と手応えはなかった。だが、11年選抜総選挙でそれまでの“神7”の牙城を崩す3位入りを果たすと状況は変わった。当時の心境を「急に3位までなっちゃって『やったー』よりは『やっちゃった』。ファンもやりすぎだよって(笑)。世間からすると知らない人が急に入ってきた感覚」と自虐的に振り返るが、気持ちには変化が生まれたきっかけだった。

 「次の日の朝、番組の(総選挙の報道で)『3位柏木由紀さん』っていう声が聞こえて私は目が覚めた。朝の情報番組で自分が取り上げられる経験なんてなかった。それで、とんでもないことが起きてるけど逆にすごいことでもあると実感した。そこからやっとAKBの船に乗れたかな。そこまでなんとなく外から見てる感じがあったのが、自分も一員になれた。3位がなかったら今の自分はいなかったし、もっと早く辞めてたと思う」

 常にアイドルとしてファンへのアピールを欠かさなかった結果だった。音楽番組ではカメラに多く抜かれる立ち位置ではなくても、映る一瞬に全力を注いだ。プロデューサーの秋元康氏は「2秒とか3秒しか映らない時にいつも(柏木は)ウインクしてたよな」と指摘。ラストシングルには代名詞とも言うべき「ウインク」の言葉が入った。

 柏木は卒業後のAKBに「ずっと輝いてほしい。常に何かに向かって走り続けているグループであってほしい」と期待。そんな後輩たちとの最後でもある卒業コンサートは「本当にみんなの大好きなAKB、みんなが見てきた柏木由紀を、奇をてらうようなことをせず、見たら柏木由紀が17年間AKBに確実にいたことが分かる歴史を感じるコンサートになっています」と予告した。

 ◆柏木由紀(かしわぎ・ゆき)1991年7月15日生まれ。32歳。鹿児島県出身。06年12月の3期生のオーディションに合格し加入。07年4月にチームBの一員として公演デビュー。10年には高城亜樹、倉持明日香とユニット「フレンチ・キス」を結成。選抜総選挙の最高位は2位。21年には一時休養し脊髄髄内腫瘍の摘出手術を受けた。キャッチコピーは「寝ても覚めてもゆきりんワールド、夢中にさせちゃうぞっ」。身長165センチ。血液型B。

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