鳥山先生ありがとうございました “チルドレン”が“戦友”が追悼
「Dr.スランプ」や「ドラゴンボール」などのヒット作で知られる漫画家の鳥山明(とりやま・あきら)さんが1日、急性硬膜下血腫のため死去した。集英社が8日に発表した。68歳。愛知県出身。葬儀は近親者のみで行われ、お別れの会の開催などは未定だという。日本漫画界の先頭を走り続けてきた鳥山さんの早すぎる旅立ちに、各界に悲しみが広がった。
偉大な漫画家の急逝に、同業者らは大きな喪失感に襲われた。鳥山作品を見て漫画家になった“チルドレン”や、鳥山さんとともに一時代を切り開いた“戦友”が追悼コメントを寄せた。
「ONE PIECE」の尾田栄一郎氏(49)は「子供の頃から憧れすぎていて初めて名前呼んでもらえた日の事も覚えています」と述懐。「我々に『友達』という言葉を使ってくれた日の帰り道、岸本さんと盛大にはしゃいだ日も懐かしい」と、「NARUTO -ナルト-」の岸本斉史氏(49)とともに憧れの鳥山さんと過ごした日の幸福をつづり、「血液レベルで鳥山先生が大好き」と記した。
世界にとどろく作品を放った鳥山さんは「突き進むヒーロー」と自身の目に映っていたとし、「同じ舞台に立った僕ら世代の漫画家にとって鳥山作品は近づく程により大きな存在と気づかされました」と敬愛した。46年の創作活動を終えた鳥山氏へ「天国が先生の想い描いた通りの愉快な世界でありますように」と願った。
岸本氏は「ドラゴンボールが終わった時以上のとてつもない喪失感に襲われ…まだこの心の穴にどう対処すればよいのか分かりません」と心情を吐露。小学校低学年で「Dr.スランプ」、高学年で「ドラゴンボール」と出会い、「生活の一部で先生の漫画が隣にあるのが当たり前でした。嫌なことがあっても毎週のドラゴンボールが忘れさせてくれました」とつづった。
「先生はいつも僕の指針でした。憧れでした。僕にとってはまさに救いの神であり、漫画の神様でした」とその存在をあがめつつ、「ドラゴンボールチルドレンとして尾田さんと2人して子供に戻り、まるで競争するかのようにいかにドラゴンボールが面白かったのかをはしゃいで話した時、まんざらでもない様子で少し恥ずかしそうな笑顔をされていたのが忘れられません」と、シャイな素顔を明かした。
鳥山さんとの共作短編集「カツラアキラ」や「電影少女」「ウイングマン」の作者・桂正和氏(61)は、突然の「友人」の訃報に「力がぬけて気力が出ません」とコメント。自宅へ訪問するほど親交も深かったといい、「電話をする度に疲れるほど笑っていました」と述懐。2人の関係を「99%漫画の話をした事はない付き合い」だったとし、「漫画家として、見てる風景、作家のレベルも違いすぎて、偉大さを意識した事が無かったです。わかってはいます。けど、本人と接する時は微塵もそれは感じなかった。人柄ですね。だから偉大な漫画家というより、今も友人としてとしか考えられない。もうくだらない話で長電話ができない事が、残念でしかたないです」と無念さをにじませた。
◆漫画家・江口寿史氏(「週刊少年ジャンプ」で「ストップ!!ひばりくん!」を連載)「え、かんべんしろよ」(Xで)「鳥山さんの絵は、ぼくとはそのルーツも志向も実はかなり違うので、直接的な影響は受けようがなかったが、いつもどんな絵を描いてくるのか興味深く見ていた人だった。1955年4月生まれの同学年。早過ぎじゃんかよ」(インスタグラムで)
◆漫画家・井上雄彦氏(「週刊少年ジャンプ」で「SLAM DUNK」を連載)「なかなか受け止めきれない。鳥山先生、ありがとうございました」(Xで)
◆漫画家・森田まさのり氏(「週刊少年ジャンプ」で「ろくでなしBLUES」「ROOKIES」を連載)「鳥山先生!ホントですか…!?」「仕事が忙しくて後回しになってるドラゴンボールのイラストの仕事がある…。仕事の方こそ後回しにしてそれを先にやればよかった…。鳥山先生に褒めてもらいたかった…。先生!寂しいです…!」(Xで)
◆漫画家・原泰久氏(「キングダム」作者)「驚きました。。『ドラゴンボール』は最も熱狂した漫画でした。鳥山先生のご冥福を心から祈ります」(Xで)
◆タレント・中川翔子(2013年の映画「DRAGON BALLZ神と神」などで予言魚役)「突然すぎて信じられない 鳥山明先生、数々のアニメを生み出し世界中でファンが生まれ自分もその中の一人でした ドラゴンボールとドラゴンクエストと成長してきた人生でした」「世界に漫画やアニメの歴史に偉大な革命を築きあげた功績は人類の宝です 鳥山明先生の作品は世界中のメディアへの多大な影響を与えた先駆者として 地球がある限り人類史に未来永劫語り継がれていくと思います」(Xで)
◆タレント・千秋(鳥山氏が描いたイラストをSNSのアイコンに使用)「先生 XもインスタもYouTubeもSNSのアカウントも全部、先生が特別に描いてくれたもの。思い出がいっぱいある。ずっと大切にします」(Xで)
◆楽天・田中将大投手「子供の頃から1番好きな漫画はドラゴンボールです。ヤンキース時代にチームメイトとドラゴンボール談義で盛り上がり、色んな国の方々から愛されている作品だなと感じたことをよく覚えています。鳥山明先生のご冥福をお祈りします」(Xで)
◆東映の吉村文雄社長「鳥山先生が描き出す作品世界と愛すべきキャラクターたちは、常に私たちの心を躍らせ、勇気を与えてくださいました。鳥山先生が創造する愛と冒険に満ち溢れた世界をこれからも見続けていたかったと痛切に感じています。私たちの心のなかに、鳥山先生はたくさんの宝物を残してくださいました」