宮﨑駿監督が2度目オスカー 「長編アニメーション映画部門賞」受賞も姿見せず 「日本男児としてうれしい顔を見せちゃいけない」

 「第96回アカデミー賞」で宮﨑駿監督の「君たちはどう生きるか」が長編アニメーション映画部門賞を受賞したことを受け、スタジオジブリの鈴木敏夫プロデューサーが11日、都内の同所で会見を行った。ジブリ作品としては「千と千尋の神隠し」21年ぶり2度目の快挙に喜びを言葉にするとともに、宮﨑駿監督の反応も告白。また、46年来の友人へ“次回作”への期待も口にした。

 会見に登場するやいなや、鈴木氏は「オスカーにトロフィーってあるけど、あれって注文すれば何個も作ってもらえるんですよね。さっき3個注文させていただきました」と声を弾ませ、着席。トロフィーは自身、宮﨑監督、回覧用に注文したという。

 21年ぶりの快挙に「時の運だと思ってますから、本当心の底からうれしかった」と笑顔。発表前には自身のアトリエにいた宮﨑監督から「『日本男児としてうれしい顔を見せちゃいけない』って言われた」と告白。待望の瞬間は電話で会話したといい「(監督は)興奮してました」とし「『おめでとうございます』と言ったら『お互いさまです』と返ってきた」と明かした。

 今作は宮﨑監督の10年ぶりの最新作。13年の長編アニメ制作からの引退発表を撤回して臨み、完成に7年を費やした。監督からのコメントを求められた鈴木氏は、当時の引退会見を引き合いに「(監督は)あれをすごい反省してるんですよ」と回答。「今回作る時だって最初の言葉が『みっともないけどもう1本作りたい』と同時に『もう世間には出ません』だった。これは本心だと思うから僕が仕方なくその役を引き受けてやってる次第です」と宮﨑監督が姿をみせない理由を語った。

 現在、宮﨑監督は三鷹の森ジブリ美術館やジブリパークで展示予定のパノラマボックスの絵を描き続けているという。鈴木氏は「その絵を見ると、衰えを知らない人」といい「ものすごい元気なんですよ。体は。多分死ぬ最期の日まで衰えない、最期の1日で一気に年を取ると思う」と健在ぶりを明かした。

 次回作にも期待がかかるが、現時点では白紙だと回答。そのうえで、鈴木氏は「本心を言うと、もう一度長編映画作るっていうのはそんな簡単じゃないと思う。だから短編アニメを作ってほしいって言ってます」と笑顔で明かした。両者は出会って46年。「僕にとっては一番一緒にいて楽しい人」と語る2人の作品作りは、終わらない。

 ◆宮﨑駿(みやざき・はやお)1941年、東京都生まれ。大学卒業後に東映動画に入社。79年劇場監督デビュー。スタジオジブリを拠点に創作に取り組んだ。主な作品に「となりのトトロ」(88年)「魔女の宅急便」(89年)「もののけ姫」(97年)など。2013年に引退を表明し、後に撤回した。12年文化功労者。14年米アカデミー名誉賞。

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