フジテレビ・井上清華アナ「4年以上メーク変えていない」 ニッポンの朝を彩る“普通の人”「心も見た目も安定していたい」
フジテレビの井上清華アナ(28)がまとう柔和なオーラは、人々を引き寄せる力がある。入社1年目からエースとして期待され、6年目となった現在、同局の看板アナに成長。4月に放送30周年を迎える同局系情報番組「めざましテレビ」(月~金曜、前5・25)でメインキャスターとして、日本の朝を彩っている。情報番組からバラエティー番組までこなし、万人から愛される井上アナ。現在の地位を築き挙げられた理由には“普通”の流儀があった。
どんな相手でも懐に入り込む“天性の人たらし”だ。取材当日、「毎朝はめざまし派」というカメラマンがあいさつすると、井上アナは「見てくださっているんですね!今日占い何位でした?」と逆質問。18年入社で同じ年の記者に対しては「えっ同い年ですか!うれしい!初めてかもしれないです」と声を高くし、距離をグッと近づける。写真撮影ではカメラマンの要望を察し、自らブラインドを下げる。アナウンサーという立場に慢心せず、常に相手目線だ。
井上アナは「めざましテレビ」に鍛えられた。入社1年目から同番組にリポーターとして出演。番組を受け持った当初は「飛行船を飛ばす中継が4回あったけど、全然飛ばなくて言うことがなくて。強風とエンジン音でスタジオの音も聞こえなくて、ずっとエンジンの説明をしていた」と語るように、生放送に食らいつくことに必死だったという。幾度のハプニングを乗り越え、取材方法から人との接し方までの“イロハ”をたたき込み、21年3月からメインキャスターに抜てきされた。
明るい笑顔と声で、日本の朝を照らし続ける。輝ける源は「視聴者の声」にある。6年目の「めざまし」でのやりがいを問うと、「多くの人に長く愛されている番組なので、取材に行くと声をかけてくれる。特にメインキャスターになって『スマイル・チャージ』という自分のコーナーができてからは、コーナーを覚えてくださって、子供達が一緒にまねしてくれる。見てくださっている方の声を聞く機会が本当にやりがいです」とうれしそうに話す。
朝の顔を務め上げるため、意識していることがある。「4年以上メークを変えていないんです。メインキャスターになる前から変えていなくて。私のイメージの『めざましテレビ』に出ていらっしゃる方は、毎朝安定してそこにいてくださるイメージ。温かいイメージなので、あまりにちょっと奇抜だなとならないように。毎日、心も見た目も安定していたいという思いがあります」。テレビの向こう側にいる視聴者のため、細部まで“普通”をこだわり抜く。
生放送のため、午前2時起床という生活。不規則な生活を安定させる“ビタミン剤”は「毎日の朝ご飯」にあるという。「朝ご飯を楽しみに起きています。朝ご飯といっても夜中なんですけど(笑)。2時過ぎくらいに食べます。ここ3年くらいで分かったのは、ちょっとおなかをすいた状態で寝る。朝ご飯を楽しみに起きると、朝から満たされて幸せになっている。食べることが好きです」。幸福感を満たし、放送で安定の笑顔を届けている。
ピカイチの対応力と人懐っこい性格で、キャリア6年目にして“看板アナ”となった。「先輩達には“永遠の1年目”と思われています。いつまでたってもある意味フレッシュで、ある意味成長してないのかもしれないけど。もう7年目になるのかと驚かれますね」。年次を重ね、気付いた自分の持ち味を「普通なところですかね」と回答。“身近な人”をほうふつとさせる自然なたたずまいが、万人に愛される一因なのかもしれない。
20代後半となり、今後のキャリアについても考える時期となった。目指すべきアナウンサー像について「先輩たちもライフステージが変わってもアナウンサーを続けている。次こうしたいとかあまり考えないようにしていて、“アナウンサーとして頑張っていきたい”という大きな軸はブレないようにしつつ、次置かれた場所で咲けるように今は『めざましテレビ』で力をつけたい」。根を張り、大きな花を咲かせていく。
◆井上清華(いのうえ・せいか)1995年4月23日生まれ、福岡県出身。青山学院大学文学部卒。大学在学中はセント・フォースに所属し、18年4月にフジテレビにアナウンサーとして入社。現在の担当番組は「めざましテレビ」のメインキャスター、「ホンマでっか!?TV」や「世界法廷ミステリー」を担当。趣味は映画、舞台鑑賞。特技はバレエ、水泳。