宝塚 花組トップ柚香光 本拠地にサヨナラ「青春の全てを捧げ走ってきた」
5月に退団する宝塚歌劇花組トップスター・柚香光が24日、兵庫・宝塚大劇場で「アルカンシェル」の千秋楽を迎え、本拠地に別れを告げた。
本公演後に行われたサヨナラショーは、約30分間上演された。柚香の代表作で、トップ就任公演でセルフ再演した「はいからさんが通る」の衣装で登場し開幕。同時退団するトップ娘役の星風まどかと「元禄バロックロック」のデュエットを繰り広げた。また次期トップの永久輝せあと「二人だけの戦場」で掛け合いて歌い継ぐと、ラストでバトンを渡すかのようにがっちりと握手をした。
「男役の正装ですから」と選んだ黒燕尾で、最後の大階段を降りてきた柚香。同期からの花束贈呈は、長く柚香を支えた専科スター水美舞斗が行った。
柚香は「ただひたすらに、青春の全てを捧げ、夢中で走ってきました。登り坂や下り坂、ようやく開けた道でもぬかるみような道でなかなか進めたいこともありました」と振り返った。だが「その道中、たくさんの絶景が待っていました。何かをやり遂げたとき、心にのこる景色がありました」と語った。そんな柚香の“絶景”は「いまこの舞台から見えます。私にとって大好きな景色です。お客さまが瞳をキラキラして応えてくれる。たどり着く場所が、こんなにも素晴らしい景色…何の悔いもありません。私はこの絶景を絶対に忘れません」と感謝した。
「この思い出の詰まった宝塚大劇場とはお別れいたします。この絶景ともお別れです。15年間、花組男役・柚香光を愛して下さった皆さまに心より、心より、ありがとうございました」と深々と頭を下げ、最後のあいさつした。
また終演後の会見で、最後の大階段の瞬間を振り返り「涙よりも温かな気持ち。いままでの日々も、花組のみんなも、お客様も、空間も、時間も、ギュッと抱きしめて持って帰りたい」と笑顔を見せた。
東京宝塚劇場は4月14日~5月26日。