静岡・川勝知事 差別的発言を謝罪も撤回は拒否 報道側の責任を重ねて強調
今月1日に新規採用職員への訓示で職業差別的発言を行ったとして批判され、2日に辞職の意思を表明していた静岡県の川勝平太知事が3日、同県庁で記者会見を実施。発言について謝罪したものの、撤回は拒否した。
川勝知事は辞任理由の一つとして1日の発言を挙げ、「私の不十分な言葉遣いによって人の心に傷を付けたということ。これはやはり大きいです。意図せざる形で人が傷ついていると。皆さまのご指摘によって知ったので、気づいてなくて、言われて気づいたということですから、ここは大きく反省すべき事だと。これが繰り返されているということもありまして、一つの大きな辞任の理由ですね」とした。
一方で「しかし、これ自体は言葉の使い方、あるいは説明不足というのがありましたので、これは直すことができます」とも発言。さらに「言葉のあや、あるいは不十分な表現が針小棒大な形で批判に結びついて…という面もあるので」と、2日と同様に報道による責任を強調した。
その後も「傷ついた人に対しましては申し訳ないという気持ちがございます」「傷つけたことにつきましては、私の心も傷ついておりますので、申し訳ないと思っています」とし、撤回は拒否。報道陣から「撤回しない理由がわからない」と問われると「傷つかれている人たちに寄り添い、あるいは助けるのが私の公僕としての仕事であったので、反対のことをするのは本意ではありませんし、しかしそうなっちゃった以上、まあ悪かったということはありますが、本意ではないということ」した。
さらに「報道も含めて、取り上げ方も入れてヒートアップした」と、報道の責任に再び言及し、「職業で貴賤はない、違いがあるだけですというのが基本的な考え方ですから、ただ言葉が不足していたので、申し訳なかったというのが今の私の心境です」と主張。ならば撤回すべきではという重ねての問いにも「言葉が不足していたということは反省しています」とだけ答えるにとどめた。
川勝知事は1日、県庁で新規採用職員への訓示を行い、「毎日毎日、野菜を売ったり、あるいは牛の世話をしたり、あるいはものを作ったりとかと違って、基本的に皆さま方は頭脳、知性の高い方たちです。ですからそれを磨く必要がありますね」などと発言。職業差別的な発言であると猛批判を浴びた。同日夜には報道陣の取材に対応し、差別的意思を否定。発言の一部を切り取った報道の責任であると反論した上で、6月の議会終了後に辞任する意思を示していた。