黒沢清監督 最新作は「“三大怖い物”を全部やってしまおうと思った」新たな動画配信プラットフォームで期間限定販売
動画配信プラットフォーム「Roadstead」のオリジナル作品第1弾となる映画「Chime」(12日、後7・00公開)の発売記念記者発表会が9日、都内で行われ、同作を手がけた黒沢清監督が出席した。
第74回ベルリン国際映画祭への正式招待も受けている同作は黒沢監督の最新作で、ホラーでもサスペンスでもない恐怖を描く。45分間の短編作品で「あまりこういう長さはやったことがないので、自分に何ができるのか試してみたかった」と説明した。
テーマについては「三大怖い物」とし、一つは幽霊、もう一つは法律を犯してしまうのではないかという怖さ。もう一つは警察に逮捕されるのではないかという、秩序側が自分を襲ってくるという怖さを全部やってしまおうと思った」と語った。
「Road-」はユーザーがオンライン上に存在する映像作品をDVDと同じように、オンライン上でトレードやレンタルが可能な「コレクションする価値ある資産」として扱う。「Chime」も949個のみを一カ月間限定で販売し、完売した場合は所有者からレンタル、もしくはリセールしないと見られない。
黒沢監督は、「こういう新しい試みは絶対に回り回って映画にとって全てプラスだと考えてます」ときっぱり。新たな映像作品の形への懸念については「少なくとも僕が生きてる間ぐらいは、その程度で映画はめげません。むしろそういうものを取り込んでより豊かになっていくはず」と語った。