タカラジェンヌを育成する兵庫県宝塚市の宝塚音楽学校（中西達也校長）で１９日、第１１２期生の入学式が行われ、１２・０倍の倍率を突破した４０人が出席した。

　祝辞に立った宝塚歌劇団の理事長も兼務する村上浩爾理事長が新入生を祝うとともに、「二つ伝えたいことがある」と語り出した。「芸の長い道の入り口に立ったが、謙虚な気持ちを忘れることのないように。先輩、後輩、先生方を尊重しながら、リスペクトして接してほしい」とした。

　昨年９月に宙組劇団員が転落死し、３月に遺族側と和解した。それを受け「もう一つ大事なこと」として「歌劇団では改革改善に取り組んでいる」と村上理事長。「宝塚には芸の伝承、舞台を安全に遂行するためにルールができたが、中には非合理的で過剰な負担、気遣いが生じている。これから時代に合わせて、アップデートしようとしている」と改革を強調。「音楽学校でも以前より見直しているが、歌劇団と音楽学校がより一層連係し、構築していく」と組織全体の改革遂行を呼びかけた。

　また宝塚音楽学校は、びっしりと組み込まれた舞台に必要なカリキュラムに加え、親元を離れる寮生活をはじめる生徒も多い。そのため「決して一人で抱えすぎることなく、遠慮せず先生やカウンセラーに相談、質問してほしい」と心の健康も気遣っていた。